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「青になってからウインカー出す奴なんなの?」右折や車線変更時の合図、“自分ルール”のドライバーが多すぎる問題



公道ではさまざまな特性の交通主体が行き交っており、それぞれ異なる事情を抱えています。

そのため運転していると、他車の挙動に思わず違和感を抱いてしまう瞬間があるものです。

先日MOBYが公開した「モヤッとしたエピソード」は大きな反響を呼び、「他車の運転」に関する数多くの意見が投稿フォームから寄せられました。

なかでも不満の声が大きかったのが、「ウインカーの扱い」についてです。

みなさんは普段、どのようなウインカーの出し方にストレスを感じているのでしょうか。

曲がりたいのは分かるけど、減速する前に合図して!


ウィンカー

©thongchainak/stock.adobe.com



やはり多くの不満が寄せられたのは、「ウインカーを出すタイミングが遅い車両」に対してでした。

進路変更の意図を事前に知らせないまま突然減速するなど、周囲を危険に巻き込む可能性を考えれば、当然の声かもしれません。

「中央分離帯のない2車線道路で、右側を走っている車がいきなり何の前触れもなく停止し、それから右の店舗に入ろうとウインカーを出すようなケースが多くて困ります。対向車線が混んでいれば、すぐに後続は大渋滞。

反対に、左側の店舗にウインカーなしで入る車もいて、バイクに乗っているときは巻き込まれそうでヒヤヒヤします。ウインカーは自分の動きを周りに知らせる役割をしていることをきちんと認識してほしいですね」(40代男性・会社員)

2車線以上の道路では、車が進むペースが速い場面も多く、ウインカーなしの急ブレーキは非常に危険です。

それ以外の場面でも、「ブレーキを踏んでからウインカーを出す車」を目にすることがありますが、まずはウインカーで周囲に進路変更の意思を示したうえで減速したいところです。

なお、ウインカーを出すタイミングは道路交通法第21条に明記されており、右左折の場合は曲がるポイントの「30m手前」、進路変更の場合は「3秒前」とされています。

割り込みの影響、「ちょっとのブレーキ」では済まないことも


ウインカー

ノーウインカーでの割り込みや、ウインカーを出すタイミングの遅れは、後続車の不要なブレーキにつながります。

「ブレーキくらい大したことない」と、周囲を省みないドライバーもいるかもしれませんが、後続車の車両特性によっては大きな危険を引き起こす可能性も考えられるのです。

「先日大型トラックに乗っているとき、右折レーンへと進むと、交差点直前でノーウインカーの車が割り込んできました。ウインカーを出していたのであれば、心理的にはまだ許せますが、ウインカーなしは許せません。大型トラックに急ブレーキは御法度ですし……正直、ウインカーをちゃんと使えないのなら車に乗ってほしくありません」(30代男性・トラックドライバー)

大型車は重量ゆえに制動距離が長くなり、乗用車の感覚で前に入ると非常に危険なケースもあります。さらにトラックの急ブレーキは「荷崩れ」のリスクもあり、最悪の場合には積み荷に対する賠償責任が発生することも。

車間が空いているからと安易に割り込むのは絶対にやめましょう。

直前まで「曲がる意思を隠す」その真意は


ウインカー

©beeboys/stock.adobe.com



さらに、「交差点で停止している際には合図がないのに、青になった瞬間にウインカーを出す」というケースに対しても、複数の方から不満の声が寄せられましたので、一部を紹介します。

「余裕で2台分以上の幅がある片側1車線の道路で、前の車が普通に交差点に止まっていました。直進したい私は後ろに着きます。信号が変わると前の車はノロノロ発進、そこではじめて右折ウインカー! はじめからウインカーを出してくれれば、車間を取るとか、左に寄るとかできるのに。後続車のことなど微塵も考えていないですよね」(50代男性・介護関係)

信号待ちの最中にウインカーを出さないドライバーには、一体どのような心理があるのでしょうか……。寸前で曲がるポイントであることに気づいたのであれば理解はできますが、それにしても見かける頻度が多すぎる印象がありますよね。

まず考えられるのは、「信号待ちの間ずっと出しつづけていると、ウインカーの音が気になる」という理由でしょうか。車種のレビューなどにおいては、ごくまれに「ウインカーの音が気に入らない」という声を見かけることがありますので、耳障りに感じる人もいるのかもしれません。

その他、1車線の道で右折しようとする場合など、後続車が通れなくなる状況においては、なんとなく後ろのドライバーに気兼ねする人もいるでしょう。ちょっとした疚しさから、「迷惑をかけることを事前に知られたくない」といった心理が働いているとも考えられます。

いずれにせよ、ウインカーは交差点の30m手前で出し、早めに周囲へと意思表示しましょう。

ウインカーを出すタイミングには「地域差」も


ウインカー

©hallucion_7/stock.adobe.com



最後に珍しい意見として、ウインカーを出すタイミングをめぐる「地域差」についての声を紹介します。

「もうね、ウインカーを出すのが遅い! 交差点で完全にまっすぐ進むペースからいきなりブレーキを踏み、ほとんど曲がりながらチカッと一瞬ウインカーを出してきます。愛知県に住んでいますが、周りはこんなドライバーばっかりの印象ですね」(50代男性・自営業)

ネット上では愛知県の運転マナーについて頻繁に言及されることがあり、ウインカーを出さずに進路変更するような運転を「名古屋走り」などと呼ぶことも。

どうやら「ウインカーを出すと、かえって入れてもらえなくなる」といった心理に由来している面もあるようですが、どの地域であろうと道交法は遵守してほしいところです。

多くのドライバーは、周囲の車が発するさまざまな情報から、その後の動きを予測しています。

とくに明確に進路を示すウインカーは、周囲のドライバーにとって貴重な情報源です。

反対に、「あるはずの情報」が示されないと、当然その動きは予測困難になり、大きな危険につながりかねません。

ちょっとした合図でも軽く扱わず、小さな操作が生じさせる影響を考えながら、周囲を慮る運転を心がけたいですね。

ライター:鹿間羊市
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