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ヨーロッパ19カ国をキャンピングカー旅して発表!車中泊天国ベストワンの国は?

ヨーロッパ19カ国をキャンピングカー旅して発表!車中泊天国ベストワンの国は?

私たち夫婦はこれまで、2年半をかけてヨーロッパ19カ国をキャンピングカーで旅してきました。

絵本の中に迷い込んだような可愛らしい村、息をのむようなアルプスの山並み、どこまでも続く海岸線…。

国ごとに異なる景色と文化にふれながら、「暮らすように旅する」日々を楽しんできました。

そんな中でも、断トツで「ここは車中泊旅に最高!」と感じた国がスペインです。

無料のキャンピングカー専用施設が多く、物価も安く、ごはんも美味しい。

そして何よりも、圧倒的な自然の美しさ…。

海も山も砂漠もあり、ただ走っているだけで絶景の連続。

私たちが訪れた19カ国の中でも間違いなく”車中泊天国”でした。

初心者でも快適に、そしてお得に、思いきり旅を楽しめる国。それがスペインです。

今回は、そんなスペインの魅力と、なぜスペインが車中泊旅にベストと感じたかの理由を、リアルな体験を交えてご紹介します!

どうしてスペイン?19カ国を旅してわかった圧倒的な快適さ


スペインの風景

私たち夫婦は「キャンピングカーで暮らしながら、世界を冒険したい!」という夢を胸に、2023年からヨーロッパの旅をスタート。

旅の相棒は、イタリアで購入した中古のキャンピングカー。

車内でリモートワークをしながら、時間にもルートにも縛られない、まるで“住むように旅する”日々を過ごしています。

イタリアからスタートし、サンマリノ、スロベニア、スイス 、リヒテンシュタイン 、オーストリア 、ドイツ 、デンマーク 、ノルウェー 、スウェーデン 、フィンランド 、 オランダ 、ベルギー 、ルクセンブルク 、フランス、ジブラルタル(※イギリスの海外領土)、スペイン、ポルトガル、アンドラの計19カ国をキャンピングカーで訪問。

有名観光地だけでなく、ガイドブックに載っていないような田舎町や穴場スポットにも訪れ、一味違った旅のスタイルをしてきました。

ヨーロッパといえば、スイス、フランス、イタリア、フィンランドなど、誰でも憧れる“王道”の国々がたくさんあります。

もちろん、それぞれに素晴らしい景色や体験があり、大満足の時間を過ごせました。

しかし、そんな中で、私たちが「一番車中泊旅しやすい」と感じたのがスペインでした。

日本ではあまり“車中泊旅に最適な国”として知られていないスペインですが、実際に行ってみると、予想以上に自由で、快適な旅ができました。

ヨーロッパで車中泊旅するならスペインがベストと思った6つの理由


1.無料のキャンピングカー専用施設が豊富


スペインのRVパーク

ヨーロッパを旅していると、意外にも「キャンピングカー向けのインフラが整っていない国」が多いことに気づきます。

専用施設が少なかったり、給水や排水がしにくかったり、設備そのものが不十分だったり、そもそも車中泊が禁止されている国もあります。

そんな中で、スペインは本当にありがたい国でした。

各地には、専用の車中泊スポットはもちろん、給水場、グレータンク排水口、カセットトイレの洗浄設備、外部電源ステーションまで、必要な設備がしっかり整っています。

しかも、それらは大都市近郊だけでなく、小さな村や地方都市にも点在していて、探すのに困ることがほとんどありませんでした。

スペインのRVパーク

さらに嬉しいのが、それらの多くが「無料」または「格安」で利用できるということ。

私たちはこれまで、スペインに合計で約100日間滞在しましたが、その間、有料施設を一度も使うことなく、すべて無料の設備だけで長期旅を続けられました。

コストを抑えつつも、快適に過ごせるキャンピングカー設備のある国として、旅人にとって本当にありがたい存在です。

2.燃料が安い=旅が広がる


スペインのガソリンスタンド

これまでヨーロッパ各国をキャンピングカーで旅してきましたが、その中でもスペインのディーゼル価格は「ヨーロッパ最安レベル」と言えるほど手頃でした。

例えば、スイスやデンマーク、ノルウェー、イタリア、フランスなどでは、1リットルあたり1.60〜1.90ユーロ(約266〜315円)とかなり高め。

それに比べて、スペインでは平均して1.30〜1.40ユーロ(約216〜232円)と、明らかに安く感じられます。

実際に、私たちがこれまで見つけた中では、1.14ユーロ(約189円)と破格のガソリンスタンドもありました。※2025年6月時点の価格

もちろん、価格は時期や地域によって大きく変動しますが、私たちは「Benzin Preis Blitz」というアプリを活用して、毎回そのエリアで最も安いガソリンスタンドを検索し、給油をするようにしています。

車中泊旅で1番の出費になりがちなのが、燃料。

だからこそ、燃料費をあまり気にせずに「行きたい場所へ思いきりドライブできる」というのは本当に大きな自由

旅の範囲もぐんと広がります。

旅の予算を効率的に管理し、より多くの場所へ。

その点、スペインはとてもおすすめできる国です。

3.食も観光もリーズナブル!物価の安さに驚く


スペインの買い物の様子

ヨーロッパを旅していると、「どこに行っても高い…」と感じることが多いのですが、スペインに来てその常識がひっくり返されました。

まず、スーパーの価格にびっくり。

「え、これでこの値段!?」と驚かされる、圧倒的な物価の安さ。

他の国では1週間分の食材を揃えるのに約80ユーロ(約13,000円)かかっていたところ、スペインでは同じような内容で60ユーロ(約9,900円)前後で済むことも。

新鮮な野菜や果物、パンやチーズはもちろん、なんとワインが1本200円で手に入ることもあり、お財布にやさしいのがうれしいポイントです。

予算を気にせず、好きな食材をどんどんカゴに入れられる気持ちよさは格別。

しかも驚くのは、スーパーだけじゃありません。

スペインでの外食

外食もかなりリーズナブルで、地元のカフェやレストランはもちろん、観光地の中の店でさえも手頃な価格で楽しめます。

普段は自炊で節約している私たちも、ついつい「今日は外食にしようか」なんて日が増えていきました。

現地グルメも低価格で味わえて最高です!

さらに観光面でも、世界遺産や人気スポットの入場料、現地でのアクティビティの料金が他国よりもお手頃。

お金をかけずに、満足度の高い旅を楽しめる、スペインの魅力のひとつです。

4.車窓が絶景!スペインの自然の多様性がすごい


スペインの一般道

スペインをキャンピングカーで旅していて、一番驚かされたのは、国全体に広がる自然のバリエーション。

「ここ、本当に同じ国?」と何度思ったかわかりません。

南部の海岸線を走れば、どこまでも続く地中海のブルー。

北部へ行けば、深い森と美しい山々。

そして内陸には、まるで映画のワンシーンのような荒野や砂漠地帯。

海・山・砂漠がぎゅっと詰まった、自然の宝石箱みたいな国でした。

そして、これらをつなぐ道がとにかく美しい。

ただ走っているだけなのに、自然公園の中を抜けていくルートは、まさにドライブ好きにとっての楽園。

「セニックロード(景観道路)」としては、スペインは本当に最高の舞台です。

スペインでトレッキングしている様子

さらに、ハイキング好きにとっても魅力満載。

本格的なトレイルがいくつもあり、ピレネー山脈の縦走ルート、スペインを代表する「ピコス・デ・エウロパ」、本土最高峰の「シエラ・ネバダ」など多彩なコースが用意されています。

ちょっと車を停めてトレッキング――そんな贅沢が、日常的に楽しめるのも魅力です。

さらにうれしいのが、自然の中でのワイルドキャンプがしやすいこと。

スペインでアウトドア

静かな海辺や山あいに車を停めて、夕陽を見ながらのディナー、満天の星空の下での就寝、朝日に包まれて目覚める――そんな“自然とともに生きる”アウトドア体験が、気軽にできてしまうのです。

アウトドア好き、自然好き、そしてハイカーにとって、スペインはまさに楽園です。

5.快適な道路環境


スペインの一般道路

スペインをキャンピングカーで走っていて、道路環境の快適さには本当に驚かされました。

有料の高速道路と、無料の一般道路に分かれていますが、注目すべきは無料の一般道のクオリティの高さです。

舗装状態は非常によく、道幅も広めなので、大型のキャンピングカーでも余裕をもって走行できます。

地方の田舎道や山道に至るまで、しっかりと整備されており、運転中のストレスはほとんど感じませんでした。

ヨーロッパを旅していると、国によっては道路事情が大きく異なります。

道路が極端に狭かったり、舗装状態がひどく、アスファルトがボコボコだったり。

そんな道では車全体に強い振動が伝わり、車内装備がずれたり壊れたりする原因になることも。

実際、一般道の状態が悪すぎて、やむなく有料高速道路を選ばざるを得なかった国もありました。

その点、スペインではそんな心配はほぼ皆無!

車に優しく、ドライバーにも優しい国です。

運転初心者や、大きめの車で旅をする方でも、安心して楽しめる国だと実感しました。

6、1年中気候が穏やかで快適


スペインのビーチの様子

キャンピングカー旅では、天候が旅の快適さを大きく左右します。

とくにヨーロッパでは、冬になると多くの国が寒さや雪の影響で、車中泊が厳しくなることも。

そんな中、スペインは“冬の楽園”。

南部のアンダルシア地方や地中海沿岸地域では、冬でも日中の気温は15〜20℃前後と過ごしやすく、晴天率も高め。

実際、私たちも2024年〜2025年の冬はスペインで過ごして、ヨーロッパ特有の厳しい寒さと不安定な天候から逃れることができました。

この快適な気候は、多くのバンライファーにとっても魅力的で、寒さを避けて集まってくるほど。

また、夏は内陸部で気温が上がることもありますが、海沿いや山間部に移動すれば、涼しくスポット多数。

エリアを選べば、1年中快適なアウトドア旅が可能です。

旅しやすい…けど治安には少し注意が必要!


スペインはキャンピングカー旅にとても適した国ですが、治安に関しては少し注意が必要です。

私たち自身、なるべく大都市や観光都市は避け、小さな町や自然豊かな場所を中心に旅してきました。

そのおかげもあり、セキュリティ面で大きな不安を感じたことはありませんでした。

とはいえ、観光客を狙った盗難や車上荒らしの話は、旅の中で何度も耳にしました。

とくに注意が必要なのは、大都市のバルセロナ、マドリード、バレンシア、有名観光スポットやその周辺エリアなどです。

これらの都市では、駐車中に窓を割られて荷物を盗まれたり、ほんの短時間の外出中に貴重品を持ち去られたという被害も。

安全に旅するための基本対策
・都市部での長時間駐車を避ける
・人目のある場所に車を停める
・車内に荷物が見える形で置かない
・Googleマップのレビューでその駐車場の評価をチェックする
・夜間はできるだけ安全なエリアに泊まる


不安を感じる場所では、少しお金をかけてでも有料のRVパークを活用するのも安心な選択肢です。

都市よりも、自然が多く、小さな町などのほうが安全で落ち着いて滞在できるので、スペインでキャンピングカー旅を楽しむなら、そうした地域を拠点にするのがおすすめです。

まとめ


ヨーロッパ19カ国を巡った中で、スペインは私たちにとって「また絶対に戻りたい」と思える特別な国になりました。

もちろん、ヨーロッパには素敵な国がたくさんあります。

ですがスペインは、絶景が広がる自然、快適な道路、1年中穏やかな気候、充実したキャンピングカー施設、そして物価の安さとトータル面で見ても、これほど揃った国はなかなかありません。

もちろん、治安面では注意するべきポイントもあります。

基本的な防犯対策さえしておけば、のびのびと自由な旅が楽しめるはずです。

アウトドア好き、ロードトリップ派、自由な旅を楽しみたい人は、スペインの車中泊旅をぜひ一度、体験してみてください!

Luana

登山、キャンプ、旅が大好きな夫婦です。 日本を飛び出し、イタリアで中古キャンピングカーを購入し、ヨーロッパ一周中です。自然の絶景スポットが好きで、観光ガイドブックには載っていないヨーロッパの絶景スポットをキャンピングカーで周りながらをたくさんお届けします。 旅の様子はInstagram、YouTubeでも発信しています、よかったらご覧ください!