車検で絶対チェックされる?「サイドスリップ」って何?
サイドスリップ検査とは?何をチェックしている?
車検の時に計測機器を使用して確認する項目がいくつかあります。
ブレーキ検査、スピードメーター検査、ヘッドライト検査、排気ガス検査、そしてサイドスリップ検査です。
サイドスリップ検査は、車のタイヤのトー角の点検です。
テスターの上を前進することにより、タイヤが車の進行方向に対して打つ側に向いているトーインの状態か、外側に向いているトーアウトの状態かを測定しているのです。
トー角とは、車を真上から見下ろした時に、タイヤが内側・外側のどちらを向いているのかを示したもので、インは人間で言うとつま先が内側を向く内またの状態、アウトはつま先が外側を向くガニ股の状態です。
基本的に車のトー角は±0か、ややトーインの方向に調整されています。
これは、トーインの状態の方が、ステアリング操作に対する影響を受けにくく、直進安定性が向上するためです。
検査時は、1m進んだ時に車がどれだけ横滑りしているかを測定し、その量が±5mm以下に収まっていれば合格となります。
なぜサイドスリップの測定が必要なの?
車を運転する際に、ドライバーが無意識に必要としているのは、車の直進安定性です。
車の操作はステアリングで行うことができますが、この操作は出来るだけ少ない方が、ドライバーが楽と感じるのです。
直進安定性を高めるため、車の車幅は広くなり、ホイールベースは長くなります。
高級、上級と呼ばれる車は、ある程度車体が大きく、幅と長さが大きく取れるため、直進安定性が高くなります。
これを、ドライバーたちは無意識に感じ取り、「良い車(楽に運転できる車)」と評するのです。
真っ直ぐな道をステアリング操作をほぼ必要とせずにまっすぐ走るというのは、基本中の基本の動きなのですが、足回りにズレが生じると車はまっすぐ走れなくなってしまいます。
例えば、大きな段差を超えた時、駐車場の車止めに強く当たった時など、タイヤに対して大きな衝撃が加わると、トー角を含めた足回りの取付状態が変化します。
また、タイヤを交換するだけでも、取り付け方法が正しくないとトー角などが変化し、車が真っ直ぐ走れなくなってしまうのです。
真っ直ぐ走れない車はドライバーの疲労を増やすだけでなく、事故を誘発する原因となりえます。
このため、乗用車では2年に1度の車検で、車が真っ直ぐ走ることができるかを検査し、基準値を超えている場合には、足回りを調整して、真っ直ぐ走るように整備して出庫させるのです。
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