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【修理費130万円の事例も】キャンピングカーの故障・トラブルを現役販売職が解説

キャンピングカーで実際に多い故障・トラブルと修理費用

「キャンピングカーって、壊れるんですか?」
キャンピングカービルダーで販売の仕事をしていると、ときどき聞かれる質問です。

キャンピングカーには、クーラーやエアコン、ソーラーパネル、サブバッテリーなど、旅を快適にするためのさまざまな設備が搭載されています。
長く乗り続ければ、こうした設備にも少しずつ不具合が出てきます。

2026年に私自身が対応した修理相談を振り返ると、特に目立ったのがクーラー・エアコン関係でした。
そのほかにも、ソーラーパネルやカスタム、雨漏りなど、キャンピングカーならではのトラブルを実際に見てきました。

今回は、私がキャンピングカー販売の現場で実際に対応したケースをもとに、どのような症状が出たのか、修理費用はいくらかかったのかなどを紹介します。
※掲載している写真はイメージです。記事中で紹介している故障・トラブルの事例とは関係ありません。

夏前になると増える「クーラーが冷えない」という相談


家庭用エアコン

毎年、梅雨前くらいから増えてくるのが、クーラーやエアコンに関する相談です。

「以前より冷えなくなった」「エラー表示が出る」「電源は入るけれど正常に動かない」といった症状が多く、家庭用エアコン、12Vクーラーのどちらについても相談があります。

2026年は9月末時点で、私自身がすでに約10件の相談に対応しました。
以前は年間7件程度だったため、ここ2〜3年で徐々に増えている印象です。

ここで意外なのが、「冷えない=クーラー本体の故障」ではないということです。

実際には、冷媒ガスが漏れていたケースもあれば、ヒューズ切れ、鉛タイプのサブバッテリーの劣化が原因だったこともあります。
症状は同じでも、原因はそれぞれ違います。

修理では、まず電話やメールで症状を確認し、その後車両を預かって実際の状態を見ていきます。
原因が分かれば、必要な部品を手配し、修理と動作確認を行って返却します。

問題は、相談が集中する時期です。

梅雨前から夏場にかけてはクーラーを使う機会が一気に増えるため、不具合の相談も重なりやすくなります。
部品の入荷状況によっては、10日ほど車両を預かることもあります。

夏前に一度動かして不具合がないかチェック


予防策としては、夏になる前に一度クーラーを動かしておくこと。
冷え方や異音、エラー表示に違和感がないか確認しておくだけでも、シーズン本番になってから慌てずに済みます。

また、原因が分からない状態で配線などを自分で触るのはおすすめしません。
誤った場所を触ることで、別の不具合につながる可能性があるからです。

私の勤務先でも納車時に電装関係を不用意に触らないよう案内しています。
ご自身で変更した内容によっては保証対象外になる場合もあります。

ソーラーは「なんとなく充電が弱い」がサインになる


クーラーほど増えている印象はありませんが、毎年一定数あるのがソーラーパネル関係の相談です。
2026年は、これまでに約6件ありました。

私の勤務先では、これまでにソーラー搭載モデルを100台以上販売してきました。

ソーラーパネルは年数とともに少しずつ性能が落ちていくため、長く乗るほど充電量の低下などが出やすくなります。
特に5年以上経過した車両では、現場感覚として半数以上に何らかの変化が見られる印象です。

よくある相談は、「以前より充電量が少ない」「モニターに表示される数値がおかしい」といったもの。
完全に発電しなくなれば気付きやすいのですが、難しいのは「なんとなく以前より弱い」というケースです。

発電量の変化を感じたら早めに点検を


実際に調べると、配線の断線、ソーラーパネル本体の劣化、コントローラーの不具合などが見つかることがあります。
修理費用も原因によって大きく変わります。

配線修理なら約1万円から、コントローラー交換なら約3万円。
パネル本体の交換になると約10万〜35万円程度かかることがあり、実際に約40万円の修理になったケースもありました。

ソーラーパネルは屋根の上に設置されているため、普段は状態を確認しにくい設備です。
「以前より発電量が少ない気がする」など、小さな変化に気づいたら、キャンピングカービルダーに点検を依頼するタイミングです。

エンジンチェックランプの原因が「タイヤ」だった


キャンピングカーのトラブルは、車内の設備だけとは限りません。
以前、ハイエースベースのキャンピングカーで、少し意外なケースがありました。

納車後、お客様が足回りのカスタムとしてローダウンをされていた車両です。
数年後、「エンジンチェックランプが頻繁に点く」という相談が入りました。

エンジンチェックランプ点灯

エンジンの警告灯ですから、普通ならエンジン本体やセンサー関係の不具合を想像します。
ところが、原因は思いもよらない場所にありました。

タイヤハウス内のレゾネーターに、タイヤが干渉していたのです。

キャンピングカーのカスタムは車両重量にも注意


キャンピングカーは家具や電装設備などを架装しているため、ベース車両の状態よりも重量が増えていzます。
そこにローダウンが加わると、車両の状態によってはタイヤと周辺部品が接触するリスクも高まりやすくなります。

タイヤ

今回の車両では、そうした条件が重なり、タイヤがレゾネーターへ繰り返し干渉。
最終的には穴が開くまでになっていました。

その結果、吸気系に異常が発生し、エンジンチェックランプが点灯。

さらにタイヤにも異常摩耗が見つかり、一部ではワイヤーが見えるほど減っていました。
最終的には、車高をノーマルへ戻し、レゾネーター交換、タイヤ交換、アライメント調整まで行い、修理費用は約35万円になりました。

もちろん、ローダウンしたすべてのキャンピングカーで同じことが起きるわけではありません。
ただ、キャンピングカーはベース車と同じ重量ではないということは、カスタムを考えるうえで忘れてはいけないと思います。

始まりは「壁のシミ」。修理費130万円以上になった雨漏り


内装のシミ

これまで対応した中で、特に印象に残っているトラブルがあります。
雨漏りです。

その車両は、新車から約6年。

お客様が最初に気付いたのは、車内の壁にできたシミでした。
広範囲のシミではなく、本当にわずかなものです。

エクステンションボックス

ところが詳しく調べていくと、エクステンションボックスとボディの隙間から水が浸入していました。

さらに雨水は見えている場所だけで止まらず、内張の中を伝って、電装関係を収めているボックス付近にまで入り込んでいました。
幸い、電装品そのものには直接的なダメージはありませんでした。

しかし、木製のボックスや周辺にはカビが発生し、水分を含んだことで家具などを支えるパネルの強度も低下していました。

カビ

最初は部分的な修理を検討しましたが、内部を確認すればするほど、修理しなければならない範囲が広がっていきます。
最終的には架装部分を大規模に交換しなければならない状態となり、修理費用は130万円ほどに。

お客様は修理を断念し、車両を手放すことになりました。

最初に見つかったのは、ほんの小さな壁のシミです。
このケースを経験してから、私は雨漏りについて、「症状が小さいうちに早く気付くことが大切」だと感じるようになりました。

小さな変化を「これくらい」で終わらせない


コーキングされた箇所

キャンピングカーには、ソーラーパネルの取付部分、マックスファン周辺、エクステンションボックスなど、コーキングによって防水されている場所が多くあります。
ただし、コーキングも永久ではありません。

年月が経てば、紫外線や雨風の影響を受けて少しずつ劣化していきます。

特に気を付けたいのが、コーキング表面のひび割れ、天井や壁にできた見覚えのないシミ、水気のない場所から落ちてくる水滴です。
怖いのは、見えている症状が小さくても内部が重症な場合もあること。

前述したように、表面では小さなシミでも、壁の中や家具の裏では水が広がっているというようなことがあります。

私は1〜2年に一度、車検などのタイミングで、コーキングや外装部分を点検してもらうことをおすすめしています。
何もなければ、それでいい。

「問題がないことを確認する」のも、一つのメンテナンスだと思います。

あとがき|大きな故障の前に、小さなサインがある


修理相談を受けていて感じるのは、キャンピングカーは日頃から車両の状態を見ておくことが大切だということです。

ここ数年は、夏場の高温、強い紫外線、台風や線状降水帯などによる長時間の雨など、キャンピングカーにとって厳しい環境になっているのではないかと感じています。

もちろん、「近年の酷暑が原因で壊れた」「大雨が原因で故障した」と直接的な因果関係を断定することはできません。
あくまで、現場でさまざまな車両を見てきた中で感じていることです。

ただ、実際に修理で入庫する車両を見ると、屋外で保管されている車両が多く、ガレージや屋根のある場所で保管されている車両からの相談は比較的少ない印象があります。

とはいえ、すべてのユーザーがキャンピングカーを屋内保管できるわけではありません。
だからこそ、普段から小さな違いに気付くことが大切なのだと思います。

𠮷川はやと

キャンピングカー業界で接客・販売に携わりながら、Webライターとして活動中。実際のお客様の声や現場で得た知識をもとに、キャンピングカー選びや装備、車中泊に役立つ情報を発信しています。専門的な内容も、初めての方に分かりやすく伝えることを大切にしています。