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「ちょっと待って!」マンションの機械式駐車場から「メリッ」…自損事故より厄介?車にまつわるご近所トラブル




マンションの機械式駐車場でまさかのトラブル


駐車場 トラブル

©oka/stock.adobe.com



一般に駐車場の敷地面積が限られるマンションにおいては、立体駐車場や機械式駐車場などが採用されるケースが多く見られます。

とくに機械式駐車場の場合、パレットの昇降に時間がかかるなど、利用者間のトラブルにつながることもあるようです。

さらに、「車を載せた機械が昇降する」という構造上、使い方に十分注意していないと危険な状況を招くおそれもあります。

「住んでいるマンションの駐車場が地上二段の機械式で、私の車は下のパレットに止めてあります。大型連休の初日、帰省時の混雑回避のため早朝のうちに出発しようと、妻と子どもの準備ができる前に車に荷物を載せていたんです。

ミニバンのリアハッチを上げている状態で、トランク内に荷物を詰めていたところ、なにやら機械の作動音がしていることに気づき……。上に止めている住民の方が、私に気づかずパレットを操作していたんです。慌てて『待ってください!』と叫んだ頃には時すでに遅し。ハッチが機械に挟まれ『メリッ』という音が響き、そこでようやく機械が止まりました。

相手の方とはあまり顔を合わせたことはありませんでしたが、そのときは平謝りで、お互い予定もあるし、とりあえずハッチは閉まる状態だったので、『詳しい話は後で』と連絡先を交換して終わりました。

しかし後日、30万円ほどになった見積もりを見せると、『こちらが100%負担するのはどうなのか』みたいなことを言われ、返信も途絶えがちに。管理会社にも間に入ってもらいましたが、どうにも対応が煮え切らず、なんならこっちに譲歩してほしいような雰囲気も感じ取れるくらいで。

結局こちらの車両保険を使って、保険料が増えた分の半額を負担してもらう形になりました。正直納得はしていませんが、完全に泣き寝入りするよりはマシだったと自分に言い聞かせています」(40代男性)

駐車場内のトラブルは、個人同士で解決しようとすると、なかなか折り合いがつかないケースも多いと思われます。

車が動いているときの事故であれば保険会社に介入の余地がありますが、たとえば「近所の子がボール遊びをしていて車を凹ませてしまった」など、車が動いていない状態では当事者同士で話をつけなければならないこともあるでしょう。

もちろん、相手方が自動車事故以外の日常における事故まで補償する「個人賠償特約」に加入している場合など、スムーズに賠償金を受け取れる可能性も考えられます。

しかし、賠償する側がそのような保険に加入していない場合には、示談に至るまで多くの時間と労力を要するケースもあるようです。

上のように被害者側が車両保険を使うことも選択肢ではありますが、それでは翌年以降の保険料が上がってしまうので、被害者側には「泣き寝入り」の感覚が残るでしょう。

被害者が自動車保険の弁護士特約に加入していれば、これを利用するのも有効な手段かもしれません。

これは自動車事故のほか日常的な事故においても活用でき、怪我や物損被害などの賠償請求を弁護士に依頼する際に、その費用を補償する特約です。

車をめぐるトラブルは道路だけではなく、さまざまな場所・形態で生じる可能性があります。

自分が被害者・加害者いずれにもなりうることを考慮しつつ、自動車保険の特約などにより備えを十分にしておきたいところです。

ライター:鹿間羊市
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