車中泊仕様ハイゼットジャンボの居住性と使い勝手を徹底解説!!1年3ヶ月レビュー
ハイゼットジャンボの乗り心地
350kgの荷物を積めるように設計されている足元は硬い。
ホイール径も小さく凹凸も拾いやすい。
小回り性能を高めるための短いホイールベースは、直進性に関しては不利に働き、ピッチングが大きくなってしまう傾向もある。
軽トラに乗用車と同じような乗り心地を望むのは無理というより、そんなことをしたら本来軽トラに求められる性能を犠牲にすることになってしまう。
とはいえ、上質な乗り心地の乗用車にしか乗り慣れていない人がどう感じるか私にはわからないが、上に挙げた不利な点も、私には全く問題に感じない程度でしかない。
少なくとも乗り心地が悪いせいで長距離走行をして疲れてしまったことなどないのも事実だ。
キャビンと荷台のサイズに関して
大変便利で快適な拡張されたジャンボのキャビンだが、ハイゼットトラックは軽自動車の規格いっぱいの全長に作られているため、キャビンを広くすれば当然その分荷台の長さが犠牲になる。
現行のハイゼットジャンボの荷台長(キャビンの一番膨らんだ部分からテールゲートまで)は1650mmなので、私の身長ではこの荷台には収まらないことになる。
しかし、キャビンの延長された部分が荷台の上にオーバーハングしたような形になっている(こうなったのは先代のS201P系からのようだ)ため、荷台フロア長は1990mmと、大谷翔平の身長を超えている。
これは六尺の脚立やコンパネも積めるようにすることが本来の目的で、使う人の業種によっては非常に重要なポイントだ。
しかし、車中泊用車として使う場合もこの構造が役に立つ。
床もついた閉ざされた箱状のシェルの場合はこのスペースを活用することができなくなってしまうが、Boo3のように床がなく荷台に被せるタイプのシェルであれば、頭を車体後方に向け、オーバーハングしたキャビンの下に足を入れれば真っ直ぐ向いて寝ることができるのだ。
Boo3の前後長は170cm程度なので、外観では身長170cm以上の人が中に収まらないように見えるが、実は身長が170cmを超えていても無理なく寝ることができるという仕組みはここにある。
そして、これまで述べた通り、ハイゼットジャンボは運転席の居住性が圧倒的に高く長距離・長時間のドライブに向いているため、ハイゼットジャンボは車中泊旅用の軽トラとして最高だと思う。
というより、慣れてしまうとこの大きなキャビンが外せない条件ともなってしまう。
そして、先ほども少し触れた通り、キャビンが荷台の上にオーバーハングしたような形状とはなったのは先代のS201P系からのようなので、S201P系より前の型では同じようなことができない。
また、これは実際に自分で確かめたことでないので詳しい事情はわからないが、先代のS201P系のジャンボは6尺の長尺物の積載が可能になった反面、シートを調節して足を伸ばすことができなくなり、ジャンボの魅力が半減してしまっていたという情報もある。
そして、S201P系は一番新しくても10年前だ。
となると、車中泊用の車両としてこれから購入するのであれば、中古車であっても、やはり2014年以降のS500P系のジャンボにしておいた方が良いのではないかと私は思う。
ハイゼットジャンボに巡り会わせてくれたBoo3に感謝
Boo3のアンバサダーに就任する際に、Boo3を載せる車両(スズキ キャリイという選択肢もある)は標準キャビンではなくジャンボの希望を出したものの、あくまでBoo3を載せるための車両として選定されたのであって、この機会がなければ私がハイゼットジャンボに乗ることはなかったかもしれない。
しかし、乗ってみると運転も快適で、Boo3との組み合わせで車中泊にも仕事にも大変便利で快適に使えているので、アンバサダーだから言うのではなく、この組み合わせを本当に気に入っている。
そんなわけで、ハイゼットジャンボを褒めすぎてしまったようなきらいもあるが、私のようなオジサンが基本1人、たまに1人乗せることもあるクルマとして、S500P系ハイゼットジャンボがサイコーなクルマだと思っているのは事実だ。
そういった意味でも、ハイゼットジャンボにも巡り合わせてくれたBoo3に大いに感謝している。