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うっかり違反する前に!駐車禁止標識の意味、範囲は?駐停車禁止との違いや罰則をチェック

うっかり違反する前に!駐車禁止標識の意味、範囲は?駐停車禁止との違いや罰則をチェック




駐停車禁止との違い


駐車禁止と駐停車禁止はよく似ています。まずは前述した「駐車」の定義と「停車」の法定義から比較しましょう。












駐車停車
車両等が客待ち、荷待ち、貨物の積卸し、故障その他の理由により継続的に停止すること(貨物の積卸しのための停止で五分を超えない時間内のもの及び人の乗降のための停止を除く。)、又は車両等が停止し、かつ、当該車両等の運転をする者(以下「運転者」という。)がその車両等を離れて直ちに運転することができない状態にあることをいう。車両等が停止することで駐車以外のものをいう。


停車の定義:道路交通法 第2条1項19号

すなわち「停車」は、車の時速0kmの状態すべてを定義され、信号待ちや渋滞での停止状態も「停車」となります。

「駐停車禁止」は、信号待ちや渋滞による停車までを禁止するものではありません。(無理です)

わかりやすくまとめると次のとおりです。











駐車禁止駐停車禁止
人の乗り降りのための停車と 荷物の積み降ろしのための “5分以内”の停車を除き、すぐに車を発進できない状態で車をとめること。車を停止させる一切の行為を禁止。ただし、事故防止や信号、警察官による指示のときは除く。

「駐車禁止」「駐停車禁止」の道路標識・標示・ラインの違い


駐車禁止と駐停車禁止の違い

駐車禁止標識は、斜め線1本、標示は破線、駐停車禁止標識はバツ印、標示は実線になるという違いがあります。

駐停車禁止場所の覚え方【運転免許学科試験にも使える!】


運転免許の学科試験では、駐車禁止標識がある場所とない場所を含めて10箇所の駐車禁止場所と距離を覚えておかなくてはなりません。しかし10箇所もの場所をすべて覚えるのは大変です。

試験勉強を助けるキーワードとなるのが「トキ坂コマオ不安定」の語呂合わせです。以下のの9箇所に「駐停車禁止の標識や標示がある場所」を加えることで全10箇所の駐車禁止場所が覚えやすくなります。

  1. ト・トンネル

  2. キ・軌道敷内

  3. 坂・坂道の頂上付近や急勾配

  4. コ・交差点とその端から5m以内

  5. マ・曲がり角から5m以内

  6. オ・横断歩道や自転車横断帯の前後5m以内の場所

  7. 不・踏切から前後10m以内

  8. 安・安全地帯の前後10m以内

  9. 定・停留所び標示から10m以内


そのほか「トキ坂コマオ5年生不安定な10歳」のように距離情報を追加した覚え方や「トキ坂コマオ5年生、バスに揺られて不安な遠出」「校長危篤、5歳のコマオ10年不安定」など、趣向を変えた語呂合わせも存在します。

これらの覚え方は、地域や教習所によって覚え方が言い伝えられているようです。

道路標識・標示はなくても駐車禁止の場所の範囲


道路交通法により、道路標識や標示がなくても駐車禁止となる区域が定められています。その区域は下記の通りです。

  • 駐車したとき車の右側の3.5m以上の余地がない場所

  • 交差点、横断歩道

  • 自転車通行帯

  • 交差点やカーブから5m以内

  • 消火栓、防火水槽など消防関係設備から5m以内、火災報知器から1m以内

  • 駐車場など車の出入り口から3m以内

  • 急な坂道や坂の頂上付近

  • 道路工事の現場から5m以内


上記で注意したいのは、○mというのは前後の距離ではなく、半径となるため、対向車線も駐車禁止の範囲内となることです。対向車線に駐車するときは十分注意してください。

また、前述の他、下記の法で定められた駐車方法に従わない場合も駐車禁止違反となります。

  • 路側帯に単なる白線が引かれている場合、道路の左端から0.75m以上離して駐車


道路の左側が破線で右側が白線の「駐停車禁止路側帯」、白線が2本の歩行者用路側帯の場合は車道の左側に寄せて駐車。路側帯への駐車はできない。

駐停車禁止の路側帯とは?


歩行者と軽車両が通行可能な「駐停車禁止路側帯」と、歩行者のみが通行可能な「歩行者用路側帯」への駐車が認められないのは、あくまで路側帯を通る軽車両や歩行者を妨害しないためのルールです。

「駐停車禁止路側帯」と呼ばれてはいるものの、この2つの路側帯はあくまで路側帯内への駐停車が禁止されているだけであり、標識や他の条件で駐停車が禁止されていない場合の除き、路側帯内側に進入しなければ駐停車が認められます。

駐車禁止場所に「停車」はできる?


警察の取り締まり

©Paylessimages/stock.adobe.com



駐車禁止場所は、あくまで駐車が禁止であり停車することはできます。

ただし「人が乗っていれば」または「5分以内なら」運転者が車から離れても駐車禁止には該当しないという認識は誤りです。

道路交通法2条18項に記載される「貨物の積み下ろしにともなう5分を超えない駐車」および「人の乗降のための停止」は「駐車」の定義からは外れますが、「停車」に該当するとも明言されていません。

駐車禁止などの規則は、渋滞防止や危険回避のために設けられているルールです。

また、荷物の積み下ろしにともなう5分という時間は、郵便・宅配業者向けの緩和措置と受け取るのが自然でしょう。

駐車禁止場所に停車することはできるものの、一般車両はやむを得ない場合を除いて停車を控えるべきです。

路駐OKの場所でも駐車時間制限オーバーは重罪になる


路駐の場合は、法律によって駐車時間の上限が設けられています。

昼間は連続12時間、夜間は連続8時間がその上限となります。(夜間の定義は日没から翌朝日の出まで)

この連続路駐時間を超えて取締を受けた場合は、反則キップ、反則金の支払いでは済まされません。

これは道路交通法違反ではなく、「自動車の保管場所の確保等に関する法律」の違反となり、裁判を受け、「3ヶ月以下の懲役または20万円以下の罰金」となり前科がつきます。

2種類ある駐車禁止違反とその罰則


駐車禁止関係の違反行為は下記の2種類あります。











駐停車違反駐車禁止の場所で駐車、駐停車禁止場所での駐車、停車
放置駐車違反上記に加え、5分を超えて駐車し、すぐに車の移動ができない場合

実際のところは、警察や監視員の見回りで取り締まる場合は「放置駐車違反」となり、大抵はこの違反によって捕まっています。「駐停車違反」は警察官の目の前で駐車または停車してしまい、即取り締まりを受けた場合などが該当します。

違反点数と反則金額





































違反名称違反点数反則金/普通車反則金/原付
駐停車違反駐停車禁止場所等2点12,000円7,000円
駐車禁止場所等1点10,000円6,000円
放置駐車違反駐停車禁止場所等3点18,000円10,000円
駐車禁止場所等2点15,000円9,000円

2つの違反それぞれに、違反した場所が駐車禁止なのか、駐停車禁止なのかにより点数、反則金額が異なります。

原付も違反の対象となります。

トリッキーな駐車禁止標識


駐車禁止の標識は冒頭で説明した通りですが、駐車禁止標識がなくても駐車禁止になってしまったり、駐車OKだったりします。

また、時間帯によって規制が変わることもあります。そんなトリッキーな駐車禁止標識を集めてみました。

駐車していいよの標識は裏を返せば駐車禁止のことも


時間帯の駐停車

お正月三が日以外の午前9時から午後7時までは、60分以内であれば、備え付けのパーキングメーターで料金を支払って駐車していいよ、の標識です。

上記の画像の場所には、駐車禁止の標識・標示がありませんので、正月三が日と午後7時から翌朝9時までは、前述した標識がなくても駐車禁止にならない場所であれば、路駐OKとなります。

しかし、車の出入り口、消火栓がすぐ近くにあるなどのトラップもありますから、「駐車OKの標識は裏を返せば駐車禁止」と心得ておきましょう。

また、上記の標識とセットで駐車禁止の標識がその規制時間と併せて示されている場合があります。

その場合は大抵の場合、駐車可以外の時間は駐車禁止となっていますので、よく標識を確認してください。

駐車禁止と駐停車禁止の合わせ技


標識の意味

上の画像の標識の意味を口語文章にしますと、「ここから、平日午前7時から9時までは駐停車禁止するけど、人の乗降はOK。だけど終日駐車は禁止だよ」となります。

駐車禁止と駐停車禁止の切り返し&時間指定


標識の意味

上の画像の標識の意味を口語文章にしますと、「ここで午前7時から午後8時までの駐停車禁止の規制は解除するね。

でもここから終日駐車禁止だよ」となります。

一瞬で判断することができないトリッキーな道路標識は、この他にも数多くあります。

もしこうした道路標識に遭遇してしまった際は、意味を理解するよりも有料駐車場に駐めた方が安全ですし、精神衛生上もよろしいはず。

みなさま、安全運転と交通ルールを守ったカーライフをお楽しみください。

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画像:MOBY編集部撮影
ライター:MOBY編集部