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衝突事故

後部座席のシートベルト着用はいつから義務化?罰則内容や捕まらないケースはもある!?




シートベルトの着用率と事故状況


シートベルト着用 違反

@Tricky Shark/stock.adobe.com



道路交通法や保安基準の改正に伴い、後部座席であってもシートベルトの装着が欠かせない状況となりました。

しかし、ニュースなど世間の報道では、交通事故に関連した情報が流れると“シートベルト非着用”であったとの話も耳にします。

シートベルトを着用している割合や事故が発生したタイミングで死者が出るなどの状況はどうなっているのでしょうか。

後部座席でのシートベルトの着用率


2022年、警察庁とJAF(日本自動車連盟)が合同で実施した「シートベルト着用状況全国調査」では、一般道路にて後部座席に乗車した人のシートベルト着用率は42.9%と公表されました。

シートベルト着用 違反

参照:シートベルト着用状況全国調査



「一般自動車道におけるシートベルト着用状況調査結果」という名目で、「運転者」「助手席同乗者」「後部座席同乗者」の3つに分類されて結果が公表されています。

着用率を見ていくと、運転者は99.1%、助手席同乗者は96.9%と比率が高いのに対し、後部座席は50%も満たしていないのが実情です。

シートベルト着用 違反

参照:シートベルト着用状況全国調査



また、同じ調査では「高速自動車道などにおけるシートベルト着用状況調査結果」も併せて発表されました。

シートベルトの着用率をチェックしてみると運転者は99.6%、助手席同乗者は98.7%と高水準である一方で、後部座席同乗者は78.0%となっています。

一般道と比べて高速道路ではシートベルトの着用の割合が高まっているのが特徴です。

道路交通法の改正に伴い、本来であれば後部座席もシートベルトの着用が義務ですが、認知していない人が一定数存在するとも考えられるのが見て取れるでしょう。

シートベルト着用別の事故状況


事故が発生した際、後部座席でシートベルトを着用している・いないでは致死率が大きく変化してきます。

警察庁が調査した「自動車後部座席同乗中死傷者のシートベルト着用・非着用別致死率」のデータによれば、2013(平成25)年から2022(令和4)年までの合計で、以下のような数値が出ています。

シートベルト着用 違反

「自動車後部座席同乗中死傷者のシートベルト着用・非着用別致死率」



シートベルト非着用時の致死率を着用時と比較して、一般道路であれば約3.6倍、高速道路では約15.4倍です。

走行速度が一般道と比較して高くなりがちな高速道路で、シートベルトを着用していないと悲劇に見舞われる可能性が高まると考えられるでしょう。

【補足】シートベルトを非着用の状態で事故に遭ったとき考えられる危険性とは?


シートベルトを非着用の状態で後部座席に乗車し、事故に遭遇すると以下の危険性が考えられます。

  • 全身を強打する

  • 車外に放り出される

  • 運転席や助手席の乗員にも被害が及ぶ


事故の衝撃により、シートベルトが装着されていないため身体が吹き飛ばされ、身体の随所を車内の至る場所にて強打する可能性があります。

また、ガラスウインドウに身体が当たる、全開で開放されている状態であれば、車外へ放り出される危険も否定できません。

その他、運転席や助手席に座っている乗員にも被害が及ぶなど、シートベルトを装着していないことで多大な危険が潜んでいるのは理解すべきでしょう。

後部座席のシートベルト未着用でも捕まらないケース


シートベルト着用 違反

©Ichiro/stock.adobe.com



道路交通法の改正により後部座席でもシートベルト着用が義務付けられていますが、一方で諸事情により非着用でも交通違反に該当しないケースも存在します。

以下の条件に該当する人はシートベルトを着用していなくても、ドライバーが交通違反に問われないのが見て取れます。

  • シートベルトの装着が難しい幼児

  • 病気などでシートベルトの装着が難しい人


シートベルトの装着が難しい幼児


幼児がシートベルトを装着できない程度の成長期であったら、同じく道路交通法の第71条の3で以下のように定められています。

自動車の運転者は、幼児用補助装置(幼児を乗車させる際座席ベルトに代わる機能を果たさせるため座席に固定して用いる補助装置であつて、道路運送車両法第三章及びこれに基づく命令の規定に適合し、かつ、幼児の発育の程度に応じた形状を有するものをいう。以下この項において同じ。)を使用しない幼児を乗車させて自動車を運転してはならない。e-Govポータル https://www.e-gov.go.jp


別途、チャイルドシートやジュニアシートを用意して、後部座席に装着することが求められます。

もし上記のアイテムを使用しないまま幼児を車に乗せていれば、「チャイルドシート着用義務違反」に該当して1点の違反点数が課せられるでしょう。

病気などでシートベルトの装着が難しい人


病気などの事情でシートベルトの装着が難しいケースでも違反に当てはまらない可能性があります。

上記の一般の車両では妊娠中や怪我、障害などが挙げられるでしょう。

一方で、緊急車両の運転席以外に乗車するケースでも、後部座席のシートベルト違反に該当せず、ドライバーが罰則を受けることはないようです。

ただし、幼児がシートベルトを着用できないのと異なり、極めて稀なケースとなるでしょう。

ライター:MOBY編集部
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