【長期車中泊に潜む危険】600日間キャンピングカー暮らしで体験した気をつけたい病気とその予防法
目次
バンライフ中の病気や怪我は不安がいっぱい
バンライフは自由で楽しいですが、言葉もわからず馴染みのない国や地域を移動しながらの旅には不安がつきもの。
通い慣れた病院や地元から遠く離れているため、「何かあった時」にすぐ駆け込める病院を見つけるのに時間がかかったり、言葉の壁に悩まされたり、「大きな病気や怪我が起きたらどうしよう?」という不安が、常に頭の片隅にあります。
しかし、心配ばかりしていては、旅を楽しめません。
だからこそ、車中泊で起こりうる体のリスクを理解し、予防や対策をしっかり行うことが大切。
適切な体調管理を心がけることで、安心して長い旅を続けることができるようにしています。
600日の車中泊暮らしで実際に私たちが体験した体の不調
600日以上にわたる海外でのキャンピングカー暮らしの中で、私たちが実際に体験した体の不調をいくつか紹介します。
幸い、大きな病気や怪我は避けられましたが、それでも注意は必要だと実感しました。
車酔い
1つ目は、「キャンピングカーの横揺れや傾斜」による車酔いです。
キャンピングカーは長く、高さもあるため、走行中だけでなく停車中にも横揺れの影響を受けやすいのです。
風だけでなく、車内の前方にいる人が小さく動いただけでも、後部のベッドに大きな振動が伝わることがあります。
旅の序盤に、その揺れが原因で激しい車酔いと吐き気を感じ、数時間にわたって気分が悪くなるという辛い経験をしました。
それ以来、1人がベッドで寝ている時は、前方で大きな動作をしないように心がけています。
キャンピングカーは揺れやすいので、乗り物酔いをしやすい体質の人は、停車時でも注意が必要です。
また、車中泊スポットの地面の傾斜によりベッドが傾めになり、頭が下がった状態で寝てしまうと、めまいが起きたり、十分な睡眠が取れなくなることもあります。
なるべく水平な場所に車を停めることが大切ですが、難しい場合は、車を水平保つためのレベラー(カースロープ)を活用しましょう。
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腰痛・ギックリ腰・ヘルニア
2つ目は腰痛・ギックリ腰・ヘルニアです。
長時間の運転や狭い車内での生活、座りっぱなしのリモートワークなどが原因で、何度も腰を痛めることがありました。
車中泊暮らしはしゃがんだり、腰を曲げる動作が多く、また長時間同じ姿勢過ごすため、運動不足になりがちです。
そのため腰痛を引き起こしやすくなります。
対策としては、定期的に外へ出てハイキングや散歩をして、リフレッシュしながら体を動かすように心がけています。
また、車内でもできる簡単なストレッチを行い、身体の凝りをほぐして血液循環が良くすることが大切です。
お風呂に入るのが難しい場合には、車内で「湯たんぽ」を使って体を温め、血行を促進し筋肉の緊張を和らげるようにしています。
風邪
3つ目は風邪です。
家での生活と同じように、疲れやストレスで免疫が低下すると風邪をひきやすくなります。
狭い空間では1人が風邪をひくと、数日後にはもう1人にもうつり、夫婦揃って体調を崩してしまうことがよくあります。
車内の限られたスペースと水で療養するのは大変で、軽い風邪でも治るのに時間がかかってしまいます。
対策としては普段から体調管理に気をつけることが重要。
車内の温度管理に気をつけ、栄養バランスのいい食事を心がけましょう。
上質な睡眠を確保し、適度な運動を行い免疫力を上げ、風邪をひかないようにするための予防対策が大切です。
長期車中泊で気をつけたい体への影響
旅中で出会った車中泊仲間から聞いた、車中泊で起きやすい病気をいくつかピックアップしました。
風邪や下痢などの体調不良
車中泊は慣れない環境のため、体調を崩しやすいです。
旅の楽しさに夢中になりがちですが、気温の変化や食べ物の違いなどが、知らず知らずのうちに身体に負担をかけているかもしれません。
予防対策としては、まず温度差に注意。
車中泊は冷えやすいため、夜間は暖かい上着や毛布をかけ、冷えないように心がけます。
現地の食べ物や水にも注意が必要です!
暴飲暴食は避け、油多い料理やスパイスの効いた食材など、普段食べ慣れていないものには気をつけてください。
また、水道水が飲用可能かどうか必ず確認し、疑わしい場合はミネラルウォーターを購入するのが安全です。
もし体調を崩してしまったら、無理をせず安静にし、風邪薬、下痢止め、胃腸薬、鎮痛剤などの常備薬をいくつか持っていると安心です。
膀胱炎
膀胱に細菌が侵入して炎症を起こす病気は、女性が特にかかりやすいです。
水分不足や尿を我慢すること、冷え、睡眠不足、ストレスなど原因は様々ですが、車中泊ではトイレがなくて長時間我慢したり、公衆トイレの衛生状態が悪いことが引き金になることが多いです。
症状としては、排尿時の痛みや排尿後の残尿感があり、悪化すると高熱や背中の強い痛みを伴うこともあります。
治療には抗生物質が必要になるため、何よりも予防するのが大切です。
予防対策としては、こまめな水分補給。
トイレは我慢せず、3~4時間おきくらいに行くようにし、デリケートゾーンを清潔に保つことも忘れないようにしましょう。
また、体を冷やさないようにし、免疫力を高めるためのことが重要です。
エコノミー症候群/血栓症
狭い車内で長時間同じ姿勢で過ごしたり、膝を曲げた状態や足を動かさない状態が続くと血行不良を招き、血液が固まりやすくなり、血栓症を引き起こすリスクがあります。
これは脳梗塞や心筋梗塞といった深刻な病気につながる可能性があるため、しっかりと予防をすることが重要です。
特に、乗用車をDIYして車中泊する場合は、十分な寝床スペースを確保し、しっかりと脚を伸ばして寝られるように工夫しましょう。
また、日中は長時間同じ姿勢を避け、定期的にストレッチや体を動かしたり、ふくらはぎをもんで血流を促進することが効果的。
水分補給をこまめに行うことも大切です。
熱中症/低体温症
車中泊は外気温の影響を受けやすく、季節によって適切な対策が必要です。
真夏は、車内の温度が外気温よりも上昇し、40℃近くにもなることもあります。
このような高温環境では熱中症のリスクが高めるため、車中泊をする際は、日陰や風通しの良い場所を選びましょう。
サンシェードを窓に取り付けて太陽光を遮断し、車内の温度上昇を防ぎます。
また、窓を開けたり、扇風機やサーキュレーターを活用して風を通し、こまめに水分補給をして熱中症を予防しましょう。
冬場は気温が氷点下になると低体温症のリスクが高まります。
サンシェードや厚手のカーテンで窓を覆い、外からの冷気を遮断します。
電源が確保できる場合は、ファンヒーターやホットカーペットを使用して、車内を暖めるのがおすすめです。
電源がない場合は、防寒着を身につけ、冬用の寝袋や毛布でしっかり保温しましょう。
また、就寝前に温かい飲み物を飲んだり、湯たんぽを使用して体を温めることで冷え対策になります。
楽しく元気な車中泊をするには体調管理が大事!
車中泊は普段の生活とは違った体験ができ、自由で魅力的なライフスタイルです。
しかし何でも揃っている「快適な家」とは違い、ちょっとした生活習慣の乱れや不適切な食習慣、疲労、ストレスなどが原因で、思わぬ病気を引き起こしてしまうことも。
普段とは違う特殊な環境での生活であるため、体調管理には普段以上に気をつけるようにし、健康で楽しい車中泊旅をしましょう。