実質1000W超え!?画期的なポータブル電源「RIVER 600」を使ってみた!

実質1000W超え!?画期的なポータブル電源「RIVER 600」の魅力に迫る!



EFDELTAとRIVER 600

EcoFlowの大パワー・大容量ポータブル電源「EFDELTA」を試用させてもらっている最中に、同社の「RIVER 600」シリーズも、実質2日程度と短期間ではあったが、試せる機会が舞い込んだ。

こちらはまだ通常販売前で、クラウドファンディングサイトのMakuakeで先行予約を開始したばかりの新製品だ。

大注目のポータブル電源が2つも目の前にあるなんて、新製品好きとしては興奮してしまう状況だが、極力冷静にリポートしてみたい。

※Makuakeでの販売は終了しました。

スペック表ではわからなかったこと

RIVER 600シリーズ

出典:Makuake

RIVER 600シリーズには、「RIVER 600」「RIVER 600 max」「RIVER 600 pro」「RIVER 600 pro + エクストラバッテリー」の4つのバリエーションがある。

出力はどれも600Wで共通だが、それぞれの容量やその他の仕様についてはMakuakeで確認していただきたい。

ところで、ECサイトや製品カタログを見ていると、ここ最近のポータブル電源は出力400W~500Wあたりのクラスがポピュラーなようだ。

普段あまり意識したことなどなかったが、EFDELTAの試用の際に家電製品について調べていたところ、実は出力500Wでは惜しくも使えない機器が意外と多いことを知った。一方で、600Wあれば使用できる製品がぐんと広がる。

EFDELTA

とはいえ、 出力1600WのEFDELTAを試している最中で、その頼もしさに感激している者にとっては、600Wの出力は正直言って見劣りしてしまう。

また、スペック表を見ただけでは、RIVER 600シリーズはバッテリー容量の違う3種類と、追加バッテリーがあるだけのようにしか見えなかった。

ところが、後から知ることになるのだが、実はスペック表からだけでは全くわからない部分にRIVER 600シリーズの大きな魅力と実力が潜んでいた。

試用できた期間が非常に短かったため、細かな実験(試用)結果は紹介できないことをご了承いただきたい。その代わり、この製品がいかに画期的であると感じたか、Makuakeでの説明を補うような形で書いていこうと思う。

X-Boostテクノロジー

通常はシリーズの構成から説明するのが普通だと思うが、RIVER 600に採用された超画期的な技術について一番最初に取り上げておきたい。

「RIVER 600」は、重さが2ℓのペットボトル2.5本分ほどのわずか「5kg」にもかかわらず、「最大1200W」の高出力のポータブル電源です。
「RIVER 600 シリーズ」すべてが、EcoFlowの特許申請中の技術「X-Boostテクノロジー」の高度なアルゴリズムにより、高出力電化製品の「電圧を下げる」ことで作動させることができるのです!しかも、家庭用のコンセントと同じ、完全正弦波の安全な電力を提供してくれます。
IHクッキングヒーターやコーヒーメーカーはもちろん、ドライヤーや電子レンジまで使うことができ、ほぼすべての家電製品を作動させることができます。

Makuakeの説明文にはある。

「完全正弦波の安全な電力」については知っている人も多いと思うが、知らない人のためにごく簡単に説明しておく。

バッテリーに貯められる電気は直流の状態であるため、普通の家電製品など、交流電源で動かす機器を使おうと思ったら、バッテリーに貯めた電気を交流に変換しなければならない。

ただ、ポータブル電源の中には、製造コストを抑えるために「完全正弦波」ではない、不完全な交流にしか変換できない部品を使っているものもある。

それでも問題なく稼働する家電製品もあるが、故障を招くなど大きな問題を引き起こす場合もあるので、普通に交流の家電製品を使おうと思ったら、「完全正弦波の安全な電力」であることは非常に重要になるのだ。

RIVER 600シリーズ 使える家電製品

出典:Makuake

そして、次がRIVER 600シリーズの最大の魅力といえる部分。

なぜ、出力600W(瞬間最大1200W)なのに「IHクッキングヒーターやコーヒーメーカーはもちろん、ドライヤーや電子レンジまで使うことができ、ほぼすべての家電製品を作動させることができます」なのかだ。

これらの家電製品は消費電力600Wを超えるものばかりで、普通に考えたら出力600Wのポータブル電源で稼働させることはできない。私も電気についてそんなに詳しいわけではないが、少しだけでも分かっていれば大きな疑問となる部分だ。

これを実現しているのが特許申請中のX-Boostテクノロジーだ。

「高度なアルゴリズム」と言われても私にはなんのことだか分からないが、とにかくその特殊な技術によって、本当は出力が600Wだけど、消費電力1000Wクラスの機器を使えるようにし、低コストで高い消費電力の機器の使用を実現しているということだ。

コーヒーメーカー

実例で説明しよう。

EFDELTAでコーヒーメーカーを使っていた時、出力表示は620Wを示していた。ということは、普通であれば出力が600WのRIVER 600では使用できるか否か微妙なところ。

しかし、同じコーヒーメーカーがRIVER 600で問題なく使えただけではなく、出力の数値は590Wを下回っていた(どちらも60Hzで使用)。
実際の仕組みなどついては私の知識では理解できないが、多分この数値が、X-Boostテクノロジーの証しなのではないかと思う。

ただし、あくまでRIVER 600シリーズの実際の定格の出力は600W(瞬間最大1200W)で、X-Boostテクノロジーによって、言わば擬似的に消費電力1000Wクラスの機器を使用できるようにしている。

消費電力1200W以内ならなんでも絶対に使えることを保証しているわけではないので、その点を理解の上で選ぶ必要はある。出力の確実性を求めるならRIVER 600シリーズではなく、1600W(瞬間最大3100W)のEFDELTAを選ぶべきだ。

とは言え、元々出力600Wあれば使える機器は結構多い。その上さらに使える機器が増えることは大きな魅力といえる。

そして、忘れてはいけないのが、RIVER 600シリーズの価格について。通常、出力1000Wクラスのポータブル電源となると価格も大きく跳ね上がることになり、諭吉10人以上が当たり前。

しかし、シリーズの中で最もベーシックなRIVER 600の一般予定販売価格(Makuakeのサポート購入終了後の価格)は、なんと39, 600円(税込)となっている。消費電力1000Wクラスの多くの家電製品が使えるポータブル電源がこの価格とは驚異的だ。

拡張性があり、カスタマイズも可能!

RIVER 600を持ち上げた様子

X-Boostテクノロジーの次にRIVER 600シリーズの特徴として挙げられるのは、カスタマイズが可能で軽くコンパクトな点だ。

軽いことも大きなメリットだが、軽バンなど車が小さい場合は、なるべくコンパクトな方がありがたい。

RIVER 600シリーズカスタマイズ表

出典:Makuake

先述の通り、RIVER 600シリーズのバリーションは4種あるが、ベースとなるのはRIVER 600とRIVER 600 proの2種類。

「RIVER 600 max」は「RIVER 600」の、「RIVER 600 pro + エクストラバッテリー」は「RIVER 600 pro」の拡張バージョンだ。

「RIVER 600」の本体に専用のエクストラバッテリーを合体させれば「RIVER 600 max」となり、「RIVER 600 pro」に別体式のエクストラバッテリーを接続すれば、「RIVER 600 pro + エクストラバッテリー」となる。

「RIVER 600 max」「RIVER 600 pro + エクストラバッテリー」としても販売されるが、後からエクストラバッテリーを追加することも可能だ。

拡張できるのも便利だが、逆に用途や使う状況に応じて、より軽くコンパクトにできる点も見逃せない。

RIVER 600 max

出典:Makuake

重量はRIVER 600 proが7.2kg、RIVER 600 maxが7.6kgと大変軽いが、さらにエクストラバッテリーを外して「RIVER 600」状態にすれば5kgと、2kg以上も軽くなり、サイズもコンパクトになる。

例えば車でキャンプに出かける時は「RIVER 600 max」状態にして使い、バイクでキャンプに出かける時には「RIVER 600 」状態ににするなんていう使い分けはどうだろうか。

RIVER 600 pro + エクストラバッテリー

出典:Makuake

また、RIVER 600 proは単体で720Whの容量を誇るが、エクストラバッテリーを追加することで、1440Whとなる。これはEFDELTAの容量1260Whを超えてしまうことになるのだ。

そして「RIVER 600 pro + エクストラバッテリー」は一体式ではないので、7.2kg + 7kgに分けて運ぶことが可能だ。個人的にはEFDELTAの14kgの持ち運びも苦にならなかったが、力の弱い人にとってもこれは大変便利なことだと思う。

また、先程「1600W(瞬間最大3100W)の出力の確実性を求めるならEFDELTAを選ぶべき」と書いたが、EFDELTAより容量ではアップする「RIVER 600 pro + エクストラバッテリー」でも、一般予定販売価格(Makuakeの応援購入期間終了後の価格)は129,300円(税込)で、EFDELTAの価格:159,500円(税込)より3万円もセーブできる点も忘れてはならない(Makuake応援購入期間ならさらに安い)。

充電

RIVER 600 充電

EFDELTA譲りの充電の速さも大きな魅力だ。家庭用コンセントで0%から80%までの充電に1時間、フル充電までが2~3時間とうたっている。

車のシガーライターソケットからの充電にももちろん対応しているので、走行中は車から充電しておくこともできる。

EFDELTAと共通オプションの110Wのソーラーチャージャー「IGUANA」からも充電でき、1枚または2枚並列接続で利用できる。

RIVER 600 充電までの時間

出典:Makuake

「RIVER 600」と「EFDELTA」どちらを選ぶか?

簡潔に言ってしまうとRIVER 600シリーズは本当に素晴らしい!

あくまでも個人の感想なので、保証はもちろんできないが、出力が400W~500Wのポータブル電源の購入で現在迷っている人がいたら、Makuakeのサポーター購入にもまだ間に合う(本原稿執筆時点)ので、迷わずRIVER 600シリーズを選ぶべきだと言いたい。

1000W以上のクラスを検討している人も、特性を理解した上でRIVER 600シリーズを選ぶのであれば、色々な点でメリットは非常に多いと思う。

今回EFDELTAとRIVER 600シリーズを同時に使ってみて感じたことは、それぞれに違った魅力があり、適したシチュエーションや得意分野も微妙に違うということだ。

どれが絶対的に優れているとか、簡易版や廉価版の位置付けなどもない。また、X-Boostテクノロジーによって、EFDELTAのような大パワー電源が必要でなくなるとも思わない。

要は、自分の使い方に照らし合わせてRIVER 600RIVER 600MAXRIVER 600PROEFDELTAの何れにするか決めるのが正解だと思う。