車検で絶対チェックされる?「サイドスリップ」って何?
足回り、サイドスリップ検査だけでは不十分?
車検時に用いられるサイドスリップ検査ですが、車の足回りの構造を考えると、決して万能な検査とは言えません。
これで確認できるのは、車が真っ直ぐ走れるのかどうかということだけであり、その他のポイントには焦点が当たっていないとも言えます。
これに対し、車の足回り、特に「ホイールアライメント」と呼ばれる部分には、様々な要素があります。
ホイールアライメントとは、車に対してタイヤホイールがどのように取り付けられていて、地面とどのように設置しているのかということ。
ホイールアライメントを測定し、キャンパー角やキャスター角、そしてトー角を調整することにより、適正な状態でタイヤと地面が設置する状況を作り出せるのです。
ホイールアライメント調整では、トー角に加え、キャンパー角やキャスター角を測定し、4輪それぞれの向きや傾きを正常にします。
サイドスリップ検査よりも精密で、車やタイヤを長持ちさせることにつながります。
つまり、サイドスリップ検査(トー角検査)に合格したからと言って、車の足回りが健康な状態であるとは、必ずしも言えないのが難しいところ。
車検はあくまで、基準値内に車の性能が入っているかを測っており、車の健康状態を見極めているものではないことを、ユーザー自身が理解しておかなければなりません。
タイヤが偏摩耗している場合はアライメント調整を
車の足回りの歪みを最も知ることができる箇所は、タイヤの摩耗状況です。
正しく路面と設置していると、均等にタイヤが減っていきますが、内側だけ、外側だけが早く減っていく場合には、ホイールアライメントが狂っている可能性が大きいです。
タイヤに偏摩耗が見られる場合は、ホイールアライメント調整を行いましょう。
多くの車の整備現場を見てきた筆者の経験上では、トー角がずれてサイドスリップ検査で調整が必要となった車は、アライメントが大きく狂っている可能性が高いです。
車検を受けた後に、必ず数値の説明があると思います。
そこで、「サイドスリップ検査で調整は必要だったのか」を確認し、「トー角を調整した」という回答が整備士さんから出てきたら、本格的なホイールアライメント測定をした方が良いでしょう。
アライメント調整は、人間で言うと骨格部分の調整にあたります。長く良い状態で車に乗るためには、タイヤ周辺を支える部分の歪みは大敵です。
サイドスリップ検査は一つの指標。数値をユーザーが正しく理解し、愛車の状態を的確に判断できるようにしておく必要があります。
ライター:Red29
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