始終ハラハラ!キャンピングカーで走行するには過酷だったルート6選



普通車なら問題なく通れそうな道でも、車高・車幅のあるキャンピングカーの場合、走るのがハードになってしまうケースも。

今回は、日本全国をキャンピングカーで走り回る私達が、実際に走って「不安だった・過酷だった」と感じたルートを、体験談をまじえてご紹介いたします。

ちなみに我が家の車両は、カムロードベースのキャブコン。車体サイズは車長4.99m、車幅1.99m、車高3.1m、車重2tで、2駆のガソリン車がベースです。

ご自分の愛車のサイズやスペックと見比べながら、ルート選びのご参考にして頂ければと思います。

東北の雪のわだちがある一般道

キャンピングカーデビューをしてから、すぐに日本一周を始めた私達。

さっそく、前車のN-BOXで何度も訪ねた雪国にも行ってみることに。

雪が積もったキャンピングカー

キャンピングカーで雪道を走るのは初めてなので、安全走行を大前提にチャレンジしました。

しかし、N-BOXのときには予想もしなかった、意外な不安を感じることになったのです。

それは、「キャブコン特有のワイドトレッドで、雪のわだちに合わせて走るのは難しい!」ということ。

雪道

雪道にタイヤの溝が残っていた場合、前輪はその溝を掴んで走れるので問題ないですが、前輪よりも幅が広いリヤタイヤは、溝に合わせて走ることができません。

そのため、まるで水に溶いた片栗粉のような新雪が積もる中、道の真ん中の溝がない部分に常にリヤタイヤが位置するよう微調整して走ることに。

とても神経を使うので、雪道に慣れていない人は、注意した方が良いと思います。

東北の吹雪の高速道路

雪の降る夜道

大粒の雪がボトボトと降る中、慣れない町の一般道の除雪具合が分からなかったので、私達は高速道路を走行していました。

すると、不思議な現象に見舞われました。

いつの間にか、前に進んでいる感覚がなくなったのです。

向かってくる吹雪のせいでしょうか、確かに進んでいるはずなのに、そう実感できなくなりました。

不思議な感覚に呑み込まれないよう、普段よりもハンドルをしっかりと握りしめたのを覚えています。

後で教えてもらったのですが、吹雪で視界が遮られるホワイトアウトという現象によって、正確な距離感などが把握できなくなっていたようです。

幸いにもハラッとする事態は起こりませんでしたが、皆さまもホワイトアウトが起こったときは十分に注意してください。

新東名の静岡の山間部

橋を走行するキャンピングカー

我が家は一般的に「パワーがない」といわれる車体なので、スピードを出さずに走行するのが大前提ですが、新東名で静岡県の富士山周辺を走るときは、毎回ヒヤヒヤします。

山から降りてくる風をもろに受けるためか、ひときわ風圧を感じる区間があるのです。

周囲に車がいなくても風を強く感じますが、大型トラックが横を追い抜かしていくときの風圧ときたら!

普通車よりも車高が高いキャブコンはさらに風を受けるので、高い高い橋の上で、車体が振れることもしばしば。

「落下したらどうしよう!」という恐怖を感じながら、振られた車体の軌道修正を繰り返すのですが、さらにガードレールに突っ込まないか、隣の車線を走行する後続車にぶつからないかという心配もあって、ハラハラドキドキの連続です。

今となっては風圧の予想ができるようになったのでそれほど怖くはありませんが、慣れるまではビクビクしながらハンドルを握っていて、本当に大変でした。

この区間に限らず、橋や川の上の道路は共通して風が強いので、ハンドルを普段よりもしっかりと握っておきたいところですね。

奥湯河原へ向かう山道

奥湯河原へ向かうとき、当初は海岸沿いを走る予定でしたが、強風で波浪注意報が出ていたため、山道を迂回して進むことになりました。

しかし、この山道がなんとも急勾配。

そのため2速走行で、合間にフットブレーキでポンピングブレーキを使いながら走っていました。

すると、助手席で「なんだか嗅いだことのない匂いがする」と異変を感じるや否や、タイヤ周辺から白い煙が出ているのを発見!

キャンピングカーのタイヤ

幸いなことに、ちょうど良いタイミングで車を待避できる場所があったので、そこでしばらくブレーキパットを冷ますことに。

しかし、停車したことでかえってタイヤ周辺の空気が滞留したのか、空気圧センサーが感知する温度は上がる一方。

焦って水をかけたい衝動に駆られましたが、ここで慌てて冷やして水をかけると、鉄が変形したり亀裂が入ったりしてそれこそ事故につながると聞いていたので、ひたすら時間とともに自然に冷えていくのを待ち、やっと下山しました。

どうやら原因は1速まで落としていなかったことと、ポンピングブレーキを的確に行えていなかったことのよう。

同じ道をN-BOXで走行したことがあったので、ついついその経験を元に運転してしまいましたが、車重が重いキャンピングカーを同じように運転してはいけないんだと、再認識した経験となりました。

この痛い経験が活きているので、現在ではもうこういったことはありません。

静岡の月光天文台へ至る山道

夜間のキャンピングカー

月と昴をはじめとした天文観察会に参加するべく、静岡の月光天文台へ向かったときの山道もキツかったです。

ただでさえ普段は走らないような、すっかり暗くなった山道。

街灯はなく、頼りになるのは自分の車体のヘッドライトだけという状況なので、今まさに通ろうとしている道の脇から、木や枝などの見えない障害物が飛び出していないか心配です。

ヘッドライトで照らせないような高い位置に障害物がないかも気がかり。

車体のサイズをイメージしつつ、山の中をハイビームで照らして先々の枝の様子をチェックしながら進むのですが、あまりにも見えなさ過ぎるので、かなり神経を使いました。

アップダウンがある舗装されていない道、深いわだちがある道の区間は、さらに大変でしたね!

「今対向車が来たらどうしよう」「バンクヘッドや荷室を傷つけたらどうしよう」と、始終ハラハラしっぱなしでした。

四国カルストまでの道中

四国カルストまでの道のりは、ナビ通りに進もうとすると、とても過酷でした。

我が家のナビはとても優秀なのにも関わらず、北から南下しようとすると、車高的に通れるわけがないような道を案内されてしまったのです。

一応その道の入り口まで進んだものの、その道は、きっと軽ワゴンでも車高的に進入できないようなシロモノ。

結局そこから大幅に逆戻りして、高知県側から北上するルートで進むことになりました。

しかし、この道もまた、民家と崖に挟まれた、地元の軽トラしか行き来しないような道!

引き返すこともできず、ひたすらナビを信じて進みました。

結果、無事に四国カルストは堪能できたのですが、行きだけでヘトヘトに。

帰りは帰りで、下山するのもひと苦労。ずっと1速のままエンジンブレーキでポンピングブレーキをしつつ、ハンドル越しにタイヤのコンディションを感じながら、慎重に下りました。

もちろん、タイヤの相棒である空気圧センサーの確認は怠らないようにしていましたよ。

タイヤの空気圧センサー

まとめ

こうして振りかえってみると、ピックアップした6つのルートは、キャンピングカーならではの車幅と車高によって、より過酷さが増している気がします。

ご自分の愛車のサイズとスペックと見比べながら、今後キャンピングカーで走る上で、どういった道に注意したら良いかの1つの参考にしてみてくださいね。