ジャパンキャンピングカーショー2020

ジャパンキャンピングカーショー2020の感想と注目の車種 Vol.2



ジャパンキャンピングカーショー ナッツRV ディスプレイ

1月31日から2月2日までの3日間、幕張メッセで開催された「ジャパンキャンピングカーショー2020」レポートの続き。

前回も書いた通り、会場は非常に盛況で人が多かった。それは大変良いことではあるのだが、人の映り込まない写真を撮るのは非常に困難だった。ボカシが入って少し見にくい写真もあることをお許しいただきたい。

因みに冒頭の画像は、「随分と大胆なキャンピングカー!」ではなく、説明画像を3D実寸大にしたような、ナッツRVの大変面白いディスプレー用車輌。

ナイスで面白いアイディア

大袈裟なことではなく、特に派手さもないが、今回印象に残った面白いアイディアや工夫をピックアップしてみた。

ルーフテント

ルーフテント James BAROUD(ジェームス・バロウド)

【James BAROUD(ジェームス・バロウド)】TUNNEL(トンネル)

ルーフテント自体は特に目新しい物ではないけど、メーカーも増えて、人気が高まっているように思う。色々と種類も増えている。

決して手頃な価格とも思えないが、ベース車両にキャンピングカーの架装をプラスした料金よりはずっと安いし、もちろんトレーラーよりも安い。

また、取り外しができるから車検の問題はないし、比較的積み下ろしの楽なものも多いから、使わない時は外してしまえば、普段は全くノーマルな車として使うことができる。

そしてジムニーなどの小さい車でも車内に荷物を積んだまま、広く快適な寝室を作ることができるのは大きな魅力だ。好みもあるが雰囲気も良いと思う。

しかしSAなどでこれを広げるのは、実際には大差はなくてもポップアップルーフよりさらに「車の上にテントを張って寝てます」的な雰囲気が強くなり、少し勇気が要りそうだ。また、屁理屈っぽいけど厳密には車内ではないから、「車内で仮眠しているだけです。」と大手を振って言えなくなってしまうのでは、なんて心配もしてしまう。

また、屋根の真上で完結するタイプなら良いとしても、横に張り出して、占有面積が車一台分のスペースではなくなってしまうタイプは、SAや道の駅ではマナー違反になり使用できないだろう。

色々とメリットが多い反面、使える場所が少し限られそうだ。

これは「車中泊の一種」とか「家を運んでいる」と考えるのではなく、張るのも撤収するのも非常に簡単で、平らでさえあれば地面が濡れていようと石がゴロゴロとしていようと、どこでも張れる「大変快適なテント」と捉え、相応の場所で使うキャンプ道具と考えるのが正解だと思う。

こう言ったルーフテントは、キャンピングカーではない車で使用するケースの方が多いのではないだろうか。その場合、外にキッチンスペースやダイニングスペースを設けることが多く、雨降りや日差しが強い時でも快適に過ごすために、タープが欲しくなる。

それが車に直結していれば(要するにサイドオーニング)車内から荷物を出し入れする際に雨に濡れることもなく便利だ。しかし、それでちょっとだけ気になっていたことがあったのだが、今回解決した。

ルーフテント James BAROUD(ジェームス・バロウド)

【James BAROUD(ジェームス・バロウド)】TUNNEL(トンネル)

最近のルーフテントは、雨が降っていてもテントに入るときに濡れないように、入り口に「ひさし」のようなものが付けられていたり、入り口付近に靴入れがあるなどの工夫が凝らされている物が多い。

しかし、「テントの入り口のある側にオーニングを張った場合は、どうやって出入りすることになるのだろう」と思っていたのだが、このオーニングには、ルーフテントの入り口へ抜ける開閉可能な穴が設けられていて、屋上の部屋へと続くトンネルのようになっていた。

オーニングの下から直接テント内に出入りできるから、これなら雨の日もテントの入り口のひさし(awningはひさしの意味だから重複して変だけど)だけよりずっと快適そうだ。

これを見ていたら、キャンプ場とかではない大自然の中でこんな形で基地を作り、何日か過ごしたくなってしまった。

対座シート

人数が3人以上いる場合、車内でテーブルを囲んで座りたい。と言うより、3人以上で使うなら、寝床の確保だけでなく、それができてこそキャンピングカーな感じがする。

ROLLERTEAM LIVINGSTONE5ダイネット

【ROLLER TEAM(ローラーチーム)】LIVINGSTONE 5(リビングストン 5)

フロントシートを後ろに向けて後部座席と向き合う形にできれば、室内スペースを非常に有効に使うことができる。

しかし、フロントシートの下にエンジンのあるキャブオーバーの車でフロントシートを回転させるのは難しく、その機巧を作っているメーカーもあるようだが、キャブオーバーの車で回転式フロントシートは珍しい。

RecVee Top sail 内装

【RecVee(レクビィ )】Topsail(トップセイル)

この写真の車は、RecVee(レクビィ )のTopsail 。一見「フロントシート回転対座」に見えるけどそうではない。フロントシートを目一杯前に寄せ、背もたれを前に倒し、エンジンルームの上に座る後ろ向きの椅子を設置している。

昔マツダのボンゴフレンディーにこれと同じような仕組みがあったのを思い出した。しかし、ボンゴフレンディーのは見た目ももう少し簡易的で、そっち側に座るとバスの補助椅子に座る人のような雰囲気が漂った。

しかし、これはそれより見た目も本格的で立派な椅子に仕上がっている。前に倒した背もたれに、オプションのマットを設置しているわけだが、補助椅子的ではなく、4人がちゃんとテーブルを囲めるダイネットらしさがある。

そして、前方のスペースを有効活用することで後方にはスライド式のハイマウントベッドを設置。

よくあるテーブルをたたんでベッドにする仕組みというのは案外面倒くさいと思うのだが、この仕組みならテーブルをたたむ必要もなく、あまり面倒な作業なしに寝床を作れるところも大変良い。

テールゲートの利用

RecVee(レクビィ )Topsail(トップセイル) テールゲートカーテン

【RecVee(レクビィ )】Topsail(トップセイル)

こちらはレクビィ Topsailのリアゲートを囲うサイドカーテン。

私はリアゲートをすっぽり覆う仕組みのタープを使っているが、何かと重宝する。

RecVee(レクビィ )ホビクル・オーバーランダー・JAOS

【RecVee(レクビィ )】Topsail(トップセイル)

これはリアゲートに被せるタイプではなく、リアゲートにひっかけて使う仕組みだ。

ハイルーフの車の場合は、この仕組みの方が確実シンプルで断然使いやすいと思う。3面はジッパーで閉じることができ、各々巻き上げられるようにもなっている。

RecVeeレクビィFive Star(ファイブスター) リア

【RecVee(レクビィ)】Five Star(ファイブスター)

さらにこんなバージョンもあった。テールゲートを開けば、雨と日光をかわすちょっとしたタープ代わりになるけど、少し風が強いと雨が吹き込んでしまうことがあったり、下にいても日光の角度ちょっとした加減で日陰にならないことがある。特にハイルーフの車の場合はこれらがより顕著に現れる。

これは「全面囲うほどではないんだけど、ここにちょっと何かあれば」というときに有り難い絶妙なアイディアだと思う。設置が簡単そうなのも◎。

どちらも机上の…的ではなく、使っているからこそ思いつくようなアイディアだと思った。

シャワールーム

私は本業も趣味もウォータースポーツ関係のため、立てる室内高のある車だったらシャワールームがぜひとも欲しいと思う。ちなみに現在の私の車には外で浴びられるシャワーの装置は備えているが、中で直立できる車ではないため、シャワールームはない。

RecVeeレクビィFive Star(ファイブスター) リア

【RecVee(レクビィ)】Five Star(ファイブスター)

上の画像の車は、こちらもレクビィのFive Star(ファイブスター)。

リアの左半分が防水のシャワールーム、右半分には縦置きの二段ベッドが配置されている。

この半分で分かれているところがポイントだ。これならベッドの上段か下段のどちらかを荷物置き場にすることもでき、サーフボードなどの長物も入れられそうだ。

そして、室内からも車外からもシャワールームにアクセスできるようになっているが、この配置なら外用のシャワーを別に設ける必要がなく、外でもシャワーを浴びたり、サーフボードなどの大きな物を洗うことができる。またシャワールームはウェットスーツなど濡れ物を積むのにも良さそうだ。

中で直立することのできる高さがあり、無理なく横向きに寝られるベッドを設けられるほどの幅のない車だったとしたら、私には二段ベッドは必要ないかもしれないけど、上段をボード置き場に改造するなどすれば、このレイアウトが理想的なように思った。

外物置のような荷物収納スペース

キャンピングカーには、小さな物を入れる収納棚の類はあって便利そうに見えても、実はある程度以上の大きさの物の収納場所や置き場所に意外と困るような車もあり、購入してからその不便さに気付く人もいるようだ。

Adria Matrix リア 収納庫

【ADRIA(アドリア)】 MATRIX(マトリックス)

そうした意見も反映されてか、キャブコンの場合、リアにベッドがあり、その下が外からもアクセスできる大きな収納庫になっている車が多くなっているように思う。写真の車はかなり大きな車だが、もっと小型の車でもこれに準じたレイアウトがある。

このレイアウトは収納スペースが多くなるだけでなく、外で使うキャンプ道具や遊び道具などを部屋の中に持ち込まなくて済み、物置のように使える点でもとても良いと思うのだが、注意点もある。

後輪より後ろに出たオーバーハング部だから、元の車体のフレームよりも出ていたりすると、強度が不安になる。崩壊することはないにしても、車体に歪みが生じる原因にはなり得る。

また、駆動方式がFF(フロントエンジン、フロントドライブ)の車の場合はもう一つ不安材料がある。

FFの車の場合は後ろが重いだけでも駆動輪へのトラクション不足に陥りやすい傾向があるが、後輪より大きく出たオーバーハング部に大きな荷重をかけ過ぎると、走行性能にも影響を及ぼす可能性があることだ。

広いからと重い物をここに大量に積んでしまう前に、こうしたことには注意が必要だ。

小型のエアコン

意外と性能と大きさのバランスの良い物が少ないのが居住スペース用のエアコンだ。

キャブコンユーザーには、信頼性に優れる家庭用のエアコンを設置している人も結構いるようだが、大きさが難点ではある。

"Webasto(べバスト)Cool Split 20(クール スプリット20)キャンピングカー クーラー

【Webasto(べバスト)】Cool Split 20(クール スプリット20)

これは燃焼式ヒーターで有名なベバストの小型エアコン。

見るからに良さそうなサイズ感だった。参考出品のような形で、まだ価格等も決まっていないそうだが、発売が待ち遠しい人も多いのではないかと思う。

魅力の多い小さなトレーラー

CASITA TEXAS Rodeo MIni トレーラー

【CASITA TEXAS(カシータ テキサス)】Rodeo MIni(ロデオ ミニ)

トレーラーと言うと、どちらかと言えば大きく豪華装備の車の方が思い浮かび勝ちで、そんな車の出展も多い中、サイズも形もこんな可愛らしいのもある。

これはCasitaのRodeo MIni(カシータ ロデオミニ)。シリーズ最小の13ftモデルだ。

カタログの数値は全長4,040mm x 全幅20,60mm x 全高2,500mmとなっている。

トレーラーは、道路事情や駐車場のことなどを考えて躊躇してしまう人も少なくないのではないだろうか。このRodeo Miniは高さがあるため大きく感じるが、小型ボートとかを載せるカーゴトレーラーと変わらない大きさだ。

都会では知らない人も多いが、日本でも地方の港や湖では、一般の人(漁師などプロでない人)がトレーラーにボードを載せて釣りに出かける姿は何も珍しくなかったりする。

そして、マイクロバスと同じくらいの幅と聞くと大きいように感じてしまうが、ロケバスの運転手さんなどは、普通の人だったらミニバンとかでもビビりそうなかなり狭いところでも、コースターで躊躇せずに入って行ってしまう強者もいる。

それを考えると馴れてしまえば問題にならない幅だ。

丸みを帯びた特徴的な外観で、内部も曲線が良い雰囲気を醸し出している。

このボディーの構造は、FRP製のお椀を上下で合わせたようになっており、製作風景のビデオを流していたが、構造も作り方も、まるでFRPのシーカヤックをそのまま大きくしたような感じだった。

個人的にはこの見た目も好みだが、それだけではなく、この構造なら屋根からの雨漏りの心配が非常に少なくて済むはずだ。

メンテナスフリーとは行かないまでも、多くのキャンピングカーにつきものの屋根のコーキングの塗り直しから解放されるだけでも凄く大きなメリットだと思う。

価格もRodeo MIniなら税抜きで280万円〜となっているから、ちょっと高価な軽キャンパーよりむしろ安いほどだ。そして当然エンジンなどがないからメンテナンス費用も自走式の車よりずっと少なくて済み、維持費も安い。

展示車両はベッドになるダイネットの他に、二段ベッドにもなるソファーのある仕様だったが、このソファーの部分がバスルーム(シャワー・トイレ)とクローゼットとなる仕様もあるようだ。

その仕様であれば、他に倉庫か倉庫になるVANがあれば一人なら十分暮らして行けそうだ。さらにもう少し長い17ftモデルのTexas(テキサス)もあると聞くと、妄想が膨らんでしまう。

自走式の車よりは維持費も安いし、普段は切り離して牽引車は身軽に走れるし、家では離れにもなる。

セカンドカーとしてキャンピングカーを持つなら、こういった小型のトレーラーを候補に入れるのも良いのではないかと思う。

私はこれに住みたいと思ったが。

キャンピングカーを取り巻く環境

ジャパンキャンピングカーショー2020 RVパーク ブース

RV協会のブース、また各地のRVパークが各々小さなブースを出展していて、そういった情報関係のブースも盛況だった。

この状況が一過性のブームのようなことで終わらず、キャンピングカーがもっと増えて、キャンピングカーで旅することが特別なことでなくなれば、利用するための環境も一層整い、キャンピングカーがより使いやすくなるのではないかと思う。

もう30年以上も前に、レンタルのキャンピングカーでアメリカを旅したことがあるが、ほとんどの町に大きなRVパークのような施設があり、宿泊場所に困ることなど全くなかった。またオーストラリアでも同様に、本当のアウトバックにでも行かなければ、大抵どこに行ってもキャラバンパークと呼ばれる施設がある。

そうした環境を非常に羨ましく思っていたのだが、30年以上遅れて日本もようやくその世界に近づきつつあることを、今回のキャンピングカーショーで少し感じることができた気がする。

そして、会場で若い女性が、とあるキャンピングカーを指差して「これカッコいい!」と叫んでいるのを耳にして、さらにその実感は強まった。

大型のトレーラーや大型のモーターホームの出展も多く、それについて思うこともあるのだが、長くなってしまうのでまたの機会に。

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