キャンピングカーのソーラーパネルをDIYで載せ替える!

キャンピングカーのソーラーパネルをDIYで載せ替える!



こんにちは。リビングストーン5(LIVING STONE5)でキャンピングカーライフを送っている、ささき夫婦です。

このたび、緊急事態宣言が発令されている中でしたが、Stay HomeでGWをフルに活用し、購入後に問題となっていたソーラーパネルの載せ替えを行いました。

今回は、そのDIY作業をご紹介いたします。

この事態が少しでも早く終息し、以前のように日本を横断したり他県に遠征したりするキャンピングカーライフができる世の中に戻ることを切に願っています。

キャンピングカーのソーラーパネル選定について

まずは、ソーラーパネルと機材の選定についてご紹介します。

キャンピングカーにソーラーパネルを取り付けるためには、パネル本体、取り付け金具(タッピングネジやウレタン系接着剤)、サブバッテリーへの充電機器(MPPTやPWM)、その他の配線類が必要です。

そして、これらをいかに上手く選定するかが、発電性能と安全を確保するために重要になってきます。

ソーラーパネルの大きさ

キャンピングカー ソーラーパネル

あらかじめ、車体の屋根の形状や寸法を確認しておきます。

キャンピングカーの屋根は広いと思われるかもしれませんが、ベンチレーター、ルーフエアコン、BSアンテナなどたくさんの構造物が設置されており、意外と空きスペースは限られています。そのため、コンパクトで発電能力が高いパネルの選定が欠かせません。

ソーラーパネルの形状

ソーラーパネルにはアルミフレームタイプ(ハードタイプ)とフレキシブルタイプがあるのですが、我が家は新車購入の段階で選択を間違えてしまいました。

まさにそのために、今回DIYによる載せ替え作業が必要になってしまったのです。

下の写真が、最初に取り付けたソーラーパネルの様子。小さい方が、どんな車でも対応可能というフレキシブルパネルです。

キャンピングカー ソーラーパネル2

新車購入のタイミングで持ち込み、ビルダーさんに取り付けてもらいました。一見すると何の問題もなさそうですが、実はリビングストーンの屋根の形状には適していなかったようなのです。

リビングストーンの屋根は強度を確保するため波板形状になっているため、その上にソーラーパネルを設置すると凹んでいる部分の両端をふさぐことになり、雨水などが排水溝に流れずにたまってしまいます。

雨が降るたびに雨水がサンルーフとパネル間の5つの凹部分にたまり、自然に乾く頃には黒いドロドロ状になる始末。このままではいずれ屋根が腐食し、穴が開いてしまうかもしれません。

そこで、小さい方も、大きい方と同じアルミフレームタイプを乗せ換えることにしました。

選定したパネル

小さい方のパネルもハードタイプを選び、金具を使って屋根の波板から浮かせた状態で設置しました。

凹部分がすべて開放されたので、雨が降っても、きちんと雨水が排水溝に流れる状態に。

やっぱり、このタイプの屋根には、浮かせた状態のまま取り付けられるハードタイプがベストな選択のようですね。

ソーラーパネルは温度が上昇すると発電効率が落ちます。従って、発電効率の点からも、ハードタイプのパネルに利点があります。(パネル裏面に空間があることで、フレキシブルより温度上昇が抑えられるため)

ちなみに、使わなくなったフレキシブルタイプは、停電対策の無停電電源装置の日中における補充充電として活用する予定です。

ソーラーパネルを取り外している様子

本筋からズレますが、こちらが我が家でDIYした無停電電源装置です。1,280whの容量なので、停電時でも40型TVが約10時間も見られます。このバッテリーの日中における補充充電に使います。

無停電電源装置 DIY

パネルの電気特性

ソーラーパネルの選定においては、電気的なスペックも確認しておく必要があります。

キャンピングカーのサブバッテリーの電圧が一般的な12Vであるか、高性能な24Vであるかによって選ぶべきソーラーパネルが異なってくるからです。

リビングストーン5は12Vのサブバッテリーなので、12V対応機材を選択。100wが必要なので、発電電圧(Vmp)=18.9V、発電電流=5.29A(99.9w)のパネルです。

購入したソーラーパネルのスペック表

ちなみに24Vであれば、この2倍の電圧が必要となります。パネルによっても異なりますが、発電電圧(Vmp)が17V以上のものを選べば、12Vシステムにも使用できます。

充電機器(ソーラーチャージャー)

パネルで発電した電力をサブバッテリーに充電するためには、ソーラーチャージャーが必要です。

下の表は太陽光発電についてまとめられたサイト「太陽生活」で見つけたグラフですが、晴れた日の発電量が高い時間帯でも、充電には6~8時間かかるようです。

ただでさえ時間がかかるので、電力をより効率よくバッテリーに充電するためには、変換効率に優れているMPPT式のチャージャーの方が良いでしょう。

我が家が選んだチャージャーは、待機電力が一般的な2W程度ではなく、0.1W以下という低待機電力のもの。

その理由は、夜間の電力消費を大きく抑えられるからです。

通常、夕方18:00~朝5:00頃まではほぼ発電できませんので、その間は待機電力を消費することになりますが、無発電時間である約12時間×一般的な待機電力2W=24W、つまり日中に発電した量の3.8%も夜間に消費してしまう計算になります。

なんだかもったいないですよね。

低待機電力型なら12時間×待機電力0.1W=1.2Wに抑えられるので、その差は歴然!それに雨や曇りが続くと電力を消費する一方なので、この低待機電力型は重宝すると思います。

ソーラーパネルの取り付けについて

パネルの取り付けには、ルーフへの固定、ソーラーチャージャーの配線、設置後の発電および充電動作の確認……といった作業が必要です。

パネルの取り付け

ソーラパネル取り付け 接着部分

6Kgもの重量があるパネルの脱落を防止するため、腐食しないステンレス製の3mm厚のL字金具を6カ所に取り付けて固定しました。

ちなみに、タッピングネジもすべてステンレス製を使用。

より強固にルーフに固定させるため、さらにウレタン系の耐衝撃・耐水タイプの接着剤も封入しています。

低待機電力型のMPPTソーラーチャージャーを取り付け

MPPTソーラーチャージャー

2台の低待機電力型のチャージャーを電装ボックス内部に設置。

サブバッテリーの容量

夜間や曇りの日に数日間何もせずに放置していても、サブバッテリーの容量が100%を下回らなくなりました。

リモートメーターの取り付け

リモートメーター

もともと電装ボックス内にあったソーラーチャージャーのモニターを、発電量を確認するため寝室に設置し直しました。寝ながら確認したいからといった理由ではなく、単純に配線の長さの制約からです。

ちなみに発電量は、155Wパネル=121W(発電効率78%)、100Wパネル=72W(発電効率72%)。晴天の13:00頃の値ではありますが、住宅街の駐車場の割には、きちんと発電されています。

ソーラーチャージャーの発電量

(画像は参考値で最大値とは異なります)

ソーラーパネルの載せ替えのDIYの注意点

ソーラーパネルの載せ替えのDIYでは、時に大きな問題が起きる可能性もあります。

そこで、あらかじめ注意しておきたい車検の規定や安全面への配慮について、かんたんに補足しておきます。

車検などの問題

車検の規定において、車体の全高は車検証の記載からプラスマイナス4cm以内となっています。

リビングストーンの場合、最大全高はルーフエアコンの高さとなっているため、それを超えない限りは問題ありません。今回も、問題なく車検に通るでしょう。

皆さまがDIYをされる際は、必ず事前に全高をチェックして、4cmを越えないようにご注意ください。もしくは車検時に構造変更(全高の変更)をすれば、搭載が可能になります。

安全面への配慮

ソーラーパネルは車体のルーフに設置する「構造物」なので、経年劣化が発生しない部品の選定や、走行中に落下しないための強固な固定が求められます。

スキー板を搭載するキャリアでさえも、定期的な器具のゆるみの確認が義務付けされているくらいですから。

さらに、バッテリー系は非常にデリケートで、ショートするとすぐ「出火」につながります。電気配線の敷設については、配線の保護などに十分な注意が必要です。

もちろん、運行前の定期的な安全確認も怠らないように日々心がけております。

DIYにおける事故はすべて個人の責任となってしまうので、技術や知識に不安がある場合は、くれぐれも無理はなさらないようにしてください。

我が家では仕事上、ひととおりの電気に関する知識は身に着けています。それでも、ソーラーパネルの設置となると、どうしても見様見真似になってしまうところもありました。

皆さまも、事前にきちんとリサーチしてから作業を行うことで、事故や不具合が起こるリスクを低減できると思います。

まとめ

ソーラーパネルの選定方法やソーラーチャージャーについて、また、実際の取り付け作業などをご紹介させていただきました。

先ほども書かせていただきましたが、電装系のDIYについては細心の注意が必要となります。

DIYに慣れているからと言って気軽にすると思わぬ事故に繋がる可能性も。

知識や技術に不安のある方は、無理せずプロに相談しましょう。

DIYでの加工や改造は安全面に影響が出る可能性があります。また、アフターサポートなどを受けることができなくなる可能性もありますので、法令、基準などを遵守した上で自己責任で行ってください。不明な場合は販売店などに確認してから行うようにしましょう。