車中泊で作る簡単朝ごはん!クッキングケトル活用術とおすすめレシピ
目次
湯を沸かして保温ポットに入れておくことが基本
近頃コンビニのある高速道路のSA(サービスエリア)が増えてきた。
SAの駐車場で寝た(休憩した)場合、朝食を購入できるだけでなく、早朝から安くて美味しいコーヒーも飲めるので、そんな朝はお湯を沸かす必要もない。
しかし、こんな便利な環境以外では、朝は最初にお湯を沸かすことを基本としている。
そして、お湯はカップ一杯分だけではなく、ある程度まとめて沸かしておき、保温ポットに入れておくようにしている。
こうしておけば、調理に使う際にその都度沸かす必要がなく、エネルギーの損失も少なくなる。(電気の使用量が抑えられる)
効率が良いだけでなく、ポットにお湯が入っていれば、途中の休憩時にもすぐにコーヒーやお茶を飲めて便利だ。
ちなみに私は、家ではインスタントコーヒーを飲むことはないし、普段は砂糖やミルクを入れることもほとんどなく、缶コーヒーを飲むことも滅多にない。
しかし最近外で過ごすときは、一杯分ずつに小分けにされたスティックタイプのカフェラテやカフェオレを使うようになってきた。
その理由は、時間がかからないということもあるが、入っていた袋を使ってかき混ぜればスプーンも汚さずに済み、ゴミも少なく後片付けの手間もかからないというのが第一なのだが、それだけが理由でもない。
最近のスティックタイプのコーヒーは十分美味しい。
缶コーヒーよりずっと安価で、いい加減な方法でドリップしたコーヒーや、淹れている間に冷めてしまったようなコーヒーよりも、むしろ美味しく感じるほどだからだ。
そして、イタリアのカフェラテ、フランスのカフェオレは朝飲むものとされているそうで、朝食用として合っている。
インスタントコーヒーについてのウンチクが長くなったが、実際にクッキングケトルを汚すことなく、暖かい朝食を作る方法を紹介しよう。
パックご飯を温める
電子レンジで2分加熱すれば食べられる「パックご飯」は大変便利だが、本格キャンピングカーでなければ、私も含め電子レンジを車内に装備している人は多くない。
湯煎調理も可能だが、その場合は15分間も加熱しなければならず、たっぷりのお湯が必要なため沸騰するまでの時間も長く、電力の消費量も多くなってしまい、あまり合理的ではない。
なのだが、パックご飯を蒸気で調理する方法が最近ちょっと話題になっているようで、YouTubeなどで紹介している人も多く、見たことがある人もすでに実践している人も多いのではないかと思う。
多くの人が紹介しているのは、パックより外径の小さなコッヘルに少量の水を張って火にかけ、その上にパックに切り込みを入れたパックご飯を乗せ、コッヘルから立ち上がる蒸気でご飯を蒸すといった方法だ。
加熱時間は約5分で済み、使う水の量も少ないため、湯煎よりずっと短時間で調理できる大変合理的な方法だ。
しかし、今回紹介する方法は予めご飯はパックから器に移してしまい、器ごとクッキングケトルの中に入れて蒸す方法だ。
こうする理由は、パックの外径よりクッキングケトルの方が大きいということもあるが、パックが火で溶けてしまったり燃えてしまったりする(火を使う場合だが)心配がなく、パックに入れた切り込みからご飯が溢れ出てしまうこともない。
ところで、鍋を蒸し器のように使用するためは、食材や器が直接鍋底に着かないようにするための下駄のような物が必要になる。
適当なものがないかと探していたところ、何に使用するのか本来の用途がよくわからない直径が約11.5cmで、脚を含めた高さが約2.5cmの深さが浅いステンレスのザルをダイソーで見つけ、ちょうど良いサイズ感だったので、それを使用することにした。
そして、ご飯を入れる器は当然ながら耐熱性があることが必須で、車中泊で使用するのであれば割れにくい材質であることが望ましい。
器もダイソーで調達したのだが、丈夫で軽いPET樹脂製で、電子レンジの使用が可能な140℃の耐熱性のある器だ。
一般的なご飯茶碗より少し大きく丼よりは小さく、200gのご飯(一般的なパックご飯一食分)を盛り付け、その上におかずを乗せても溢れにくいバッチリなサイズ感だ。
蒸気で蒸す方法
調理方法は至って簡単だ。
1、ザルをクッキングケトルの中に設置したら、保温してあったお湯を約300cc(ピッタリである必要はない)注ぐ。
2、パックから出したご飯は固まっているので、器に移したら少しほぐしておく。
3、お湯はすぐに沸騰するので、沸騰したらご飯を入れた器をクッキングケトルの中のザルの上に置く。
4、その後は蓋をして5分くらい待つだけ。途中で一旦ご飯をかき混ぜると、蒸気が全体に満遍なく回りやすくなるのでより良い。
これだけなのだが、ご飯を解してから温めるからなのか、写真では加熱前と完成後の差がわかりにくいが、パックのまま温めるよりふっくらとし、肉眼で見ると艶やかでふっくらと仕上がっていることがわかる。
そして、電子レンジで加熱した際に少し感じるプラスチックのような匂いもなく、この調理方法の方がむしろ美味しいように思う。
調理中に熱を有効活用
熱を有効活用するために、レトルトカレーも一緒に温めてみた。
上の写真でレトルトカレーは器とクッキングケトルとの間に挟まっているのが、一般的なサイズのレトルトカレーだったら、このようには収まらない。
しかし、この小さなサイズのグリーンカレー(これもダイソー)なら鍋とご飯の器の間にピッタリ収まった。
具は少なめだったが味は合格で、ご飯の量(200gのサトウのごはん)ともバランスが良かった。
蒸すために使ったお湯も無駄にしない。
この写真(写真の見栄えが今ひとつなのが残念)ではお湯はカップスープに使っているが、もちろんお茶やコーヒーに使っても良い。
蒸すために使う水の量を約300ccとした理由がこれだ。(カップスープやインスタント味噌汁、スティックタイプのインスタンコーヒーに使うお湯の量は大抵150cc~180cc程度で、蒸発してしまう分を考慮に入れた水量)
また、このお湯を使ってお茶漬けにするのも良い。後片付けも楽だ。
クッキングケトルは汚れていないので、ペーパータオルなどで水滴を拭うだけで済む。
ご飯の器、カップ、カトラリーは、クッキングケトルの水滴を拭った後のペーパータオルで汚れを拭い、その後にキッチン用ウェットティッシュで拭いておけば、全く水洗いなしで終了する。
また、もう少し大きな電気鍋を使用すれば、普通のサイズのレトルトカレーやハンバーグ、その他いろいろ一緒に温めることができるが、ご飯を覆ってしまうとご飯に蒸気が上手く回らなくなってしまうので、入れ方には注意した方が良い。
ご飯の上に具沢山のレトルトカレーをかけると下の写真のような感じになるが、この器はレトルトの丼ものやチキンラーメン(チキンラーメンならケトルも汚さない)にも十分対応できそうで、なかなかに良い選択だったようだ。
ちなみに私は朝チキンラーメンはその日の気分や体調次第だが、朝からカレーは全然OKだ。
また、このご飯を器に移してから蒸す方法には大きな利点がもう一つある。
パックのまま温める場合は開けてしまってから加熱不足が発覚しても再加熱が難しくなってしまうが、この方法なら再加熱が問題なくできることだ。
そして、お湯が沸騰するまでの時間も含めると、電子レンジ(2分)の3倍から4倍の時間を要することにはなるが、湯煎するよりずっと時間も電力を節約することができ、電子レンジを使用するより美味しいのだから、車中泊時に限らず、案外これがパックご飯のベストな調理方法ではないかとさえ思う。
白米があればバリエーションは色々考えられる。
簡単に美味しい白米を用意できる「蒸気でパックご飯」は、朝に限らず大変合理的でおすすめの調理方法だ。
中華まんを蒸す
パックご飯と同じ要領で、中華まんも蒸してみた。
使ったのは常温保存ができ、蒸さなくても食べられるタイプだ。
しかし、そのままでも食べられるとは言え、やはり蒸した方が断然美味しくなり、出来立てのような味わいになる。
5分も蒸せば十分だった。
そして電子レンジで温めると部分的に硬くなってしまうようなこともあるが、その失敗もなく、これもなかなかに良いと思う。
インスタントのお吸い物を使った茶碗蒸し
お湯を注ぐだけでできる永谷園の松茸のお吸い物と生卵を使って、電子レンジで作る簡単茶碗蒸しの存在をご存知の方は多いのではないだろうか。
その電子レンジ茶碗蒸しの応用で、パックのご飯や肉まんと同様にクッキングケトルで作る簡単茶碗蒸しを紹介しよう。
卵は常温で販売されていることが多いが、生食するのでなければ数日間なら常温保存でも問題ない(気温や湿度にもよる)ので、お吸い物の素と卵だけなら冷蔵する必要がないのも便利だ。
卵とお吸い物の素だけで作っても十分美味しくいただけるが、具材を追加すればさらに豪華になる。
今回は松茸に食感の似た(暫くご無沙汰しているので松茸の食感など忘れかけているが)エリンギとカニ風味カマボコを加えてみた。
他にも調理済みのウズラの卵や、手軽に使える調理済みのサラダチキンなどを加えるのも良いと思う。
茶碗蒸しの作り方
では、手順を説明しよう。
1、耐熱性のあるお椀などにお吸い物の素を開け、150cc~180cc程度(お吸い物として使う際のお湯の量より若干少なめ程度が良いと思う)のぬるま湯で溶く。
お湯の温度が高いと、この後の卵と混ぜ合わせる工程で混ざる前に白身が固まり始めてしまうので、必ずぬるま湯を使用する。
茶碗蒸し用に使ったのは、ご飯の器と同様の丈夫で軽いPET樹脂製で、電子レンジの使用が可能な140℃の耐熱性のあるお椀だ。
径が少し小さめで高さが少し高めで、なんとなく茶碗蒸しに向いていそうな形だったのでこれを選んだ(セリアで調達)。
2、ぬるいお吸い物ができたらそこに卵を割り入れ、しっかりと溶いて混ぜ合わせる。
3、エリンギもカニカマも手でちぎって入れれば良いので、ナイフやまな板も不要だ。
4、具材を加えたらご飯の時と同様で、クッキングケトルに適量のお湯を入れて下駄(ザル)を設置し、茶碗蒸しのお椀をセッティングする。
5、蓋から水滴が食材の上に垂れ落ちないように、サラシやバンダナを蓋とクッキングケトルの間に挟み込んでから蓋をする。
6、概ね15分くらいの加熱で茶碗蒸しは出来上がるが、水や具材の量などでも調理時間が変わると思うので、途中で蓋を開けて確認する(火傷に注意)と良いと思う。
パックご飯より加熱時間がかかってしまうのはちょっと弱点にはなるが、簡単なのにちゃんと料理したような仕上がりの滑らかな茶碗蒸しが出来上がる。
電子レンジで作ると、泡が立たないように注意してもすが入ってしまい、部分的にパサついてしまうようなこともあるが、この方法の方がそういった失敗が少ない。
茶碗蒸しはあまり朝食メニューといったイメージではないかもしれないが、卵は和洋中を問わず朝食の定番食材の一つであり、しっかりタンパクが摂れる優秀な食材だ。
寒い朝も体が温まり、私は朝食にも向いたメニューなのではないかと思っている。
スープジャーを使って電力をセーブ
スープジャーはスープ類を冷まさないように保管するためだけでなく、ミニ保温調理器(スロークッカー)のような使い方をすることもできる。
例えば朝、軽く熱を通しておいたシチューやミネストローネなどが昼頃にちょうど食べごろになっているといったような使い方だ。
車中泊でそんな使い方をするのも良いが、今回は簡単な朝食についての話題なので、もっと短時間で合理的に活用する方法を紹介する。
オートミールとインスタントカップスープで簡単洋風粥
オートミールは、牛乳で煮込んでジャムなどで甘く味付けするのが、本来の最も一般的な食べ方だが、牛乳やジャムは保冷が必要で、また日本人はこういったご飯ぽいものを甘く味付けすることに馴染めない人も少ないと思う。
しかし、材料がオートミールとカップスープならクーラーボックスも冷蔵庫も必要ないし、甘い味付けに馴染めない人も牛乳がダメな人も大丈夫だ。
作り方
1、まずは150ccから200ccのお湯をスープジャーの中に入れ、蓋をして約5分放置する。
あらかじめお湯でスープジャーの中を温めておくことが、スープジャーを使った調理のポイントなので、この工程は欠かしてはいけない。
2、約5分経ったら中に入れていたお湯は捨てずにカップに移し、インスタントコーヒーやお茶に使用する。
スープジャーの温めに使ったお湯は適度に温度が落ちていて、コーヒーやお茶に適温になっているので、それも都合が良い。
3、そして、オートミール30gとカップスープの粉末をスープジャーの中に入れ、熱いお湯150cc強(カップスープに使う規定のお湯の量が150ccの場合)を注ぎ入れ、軽くかき混ぜてからスープジャーの蓋を閉じる。
4、5分くらい待つと、スープジャーの中のオートミールは食べごろになっているので、再度かき混ぜれば完成だ。
好みでアレンジが楽しめる
使うスープの味は好みで選べば良いが、私のベストはポタージュ(コーンポタージュではなくジャガイモのポタージュ)だ。
そのままでも美味しいが、私はブラックペッパーや粉チーズ、ドライパセリなども加えている。これも好みに応じてアレンジしたら良い。
もちろんスープの種類も好みに応じて、色々試してみたら良いと思うが、例えば、中華スープを使えば中華粥風になるであろうし、茶碗蒸しと同様で他の食材を加えるのも良いと思う。
但し、加熱時間が短いので、そのままでも食べることのできる調理済みの食材を使うことが重要だ。
スープジャーを使った調理は、エネルギーの消費量が少なくて済むのが大きな利点だが、そのまま器になり、食べている最中に食材が冷めにくいことも大きな利点だ。
スープジャーの弱点
しかし、車中泊で使うには少し弱点もある。
洗うのがちょっと面倒なことだ。
面倒と言っても、直接火にかける鍋のように焦げついてしまうようなことはないので、水道のあるキャンプ場やRVパークなどであれば、普通に洗うだけなので全く問題ない。
しかし、拭き取るだけで済むような感じではないので、水道のないところではそれなりの量の水が必要になってしまうことは否めない。
とは言え洗い物はこれだけなので、利用価値は大きいと思う。
オートミールの注意点
それと、オートミールにはちょっとした注意点がいくつかある。
量を30gとした理由は、オートミールは繊維質が多いのは良いのだが、食べすぎると消化に悪く、30g程度が適量だそうだからだ。
食べ過ぎないよう注意が必要だが、毎回計量するのも面倒なので、自分の使用しているスプーン何杯で30gになるとか、カップのどのくらいの位置まで入れると30gになるなどを予め把握しておいたら良いと思う。
また、一般的に最も出回っているオートミールは、煮込む時間が約2分で済むタイプが多いようだが、製法の違いなどにより、20分ほど煮込む必要があるタイプや、中間の5分以上が望ましいタイプなどもあるそうだ。
購入時にそこをしっかり確認しておくことも必要だ。
電気ホットサンドメーカーも万能調理器
今回は電気式のクッキングケトルを有効活用する調理方法を紹介したが、私は電気式のホットサンドメーカーも多用している。
電気ホットサンドメーカーは普通にホットサンドイッチを作れるだけでなく、色々な調理に活用することができ、クッキングケトル同様、時短朝食調理にも大いに役に立つ。
ということで、「電気ホットサンドメーカーを使った簡単朝ごはん」もまたの機会に紹介したいと思う。