ハイエース車中泊ベッド自作しました!イレクターパイプで二段ベッド作り
目次
車中泊用のベッドで重視した3つのポイント
4人家族での長期車中泊旅行に向けて、わが家がベッド作りで意識したポイントは以下の3つです。
• ベッドは極力、常設式にすること
• リビングスペースをきちんと確保すること
• 荷物の出し入れがしやすいこと
それぞれのポイントを詳しく説明していきます。
走行中も常設できるベッドでメイキングの手間を減らす工夫
キャンピングカーのベッドには、折り畳み式や引き出し式のものがありますが、毎晩荷物をどかしてベッドを整えたり、マットや布団を敷くのは意外と手間がかかります。
特に長期旅行では、「毎晩毎晩ベッドメイキングをするのは面倒!」と感じることも。
夜遅くに宿泊地に着いた場合や、長時間の移動で疲れている時はさらに大変です。
そこでわが家では、「走行中も常設できるベッド」をコンセプトにベッドを作りました。
宿泊場所に到着するのが遅いと分かっている日は、ベッドを上の写真のようにメイキングした状態で出発します。
ベッドの天板は、走行中にずれないようにベルトで固定しています。
到着後は、子供たちはリアシートを倒してそのまま寝かせ、大人二人が後部のベッドに移動して就寝します。
移動後すぐに休めるので、次の日も朝早くから行動することができます。
食事も快適!リビングスペースを確保するアイデア
以前他の記事でもご紹介しましたが、わが家では、車内で食事をする際、リアシートをリビングスペースとして使用しています。
以前の記事はこちら▷【自作】DIY車中泊仕様のハイエースで調理と食事するにはどんな工夫と設備が必要?
リアシートを倒して机替わりにし、運転席・助手席を前に倒して座ることで2人分の座席を確保。
さらに、後部のスペースでは折り畳み式のステップを椅子として活用し、家族全員で食卓を囲んでいます。
食事の際には、ベッドの天板4枚のうち1枚を他の板の上に重ねることで、座るスペースを広く確保。
この工夫により、ベッド下に収納している電子レンジや食器へのアクセスもしやすくなり、食事の準備も楽にできます。
このように、車内のシーンに応じて柔軟にスペースを調整できるようにしています。
荷物の出し入れが簡単な収納設計
家族での長期旅行となると、どうしても荷物が多くなりがちです。
着替えや寝具、調理器具、遊び道具など、用途に応じて使うタイミングも違います。
そこでわが家では、ベッドを二段構造にすることで収納スペースを以下のように大まかに分け、荷物を効率よく整理できるように工夫しました。
・ベッド下(奥): 遊び道具やキャンプ用品など、使用頻度が低いもの。バッグゲートから取り出したいもの。
・ベッド下(手前): 調理器具や食器、食料品など頻繁に使うもの(電子レンジもここに設置)
・ベッド二段目: 寝具や着替えなど、寝る前後に必要なもの。
この収納方法にしてから、それぞれの荷物へのアクセスがとても楽になりました。
特に、ベッドの二段目を作ることで、ベッドの上を物置きにしなくて済むようになりました。
我が家のハイエース二段ベッドの構造と魅力
上記のポイントを満たすために設計した二段ベッドですが、その構造は非常にシンプルです。
イレクターパイプで足場となるフレームを組み、その上に天板を渡しています。
ベッド部分にはベッド用天板を4枚、二段目部分は木材の板を使っています。
必要に応じてカスタマイズも可能なので、家族の成長や荷物の量に合わせてレイアウトを変更できます。
イレクターパイプを使ったシンプルなフレーム
フレームにはイレクターパイプを採用しました。
イレクターパイプはスチール製で、株式会社矢崎化工が製造・販売しているパイプです。
外側には樹脂コーティングが施されており、錆びにくく軽量で、耐久性が高いのが特徴です。
パイプのカットは、購入時にホームセンターで依頼することもできますが、パイプカッターを使えば自分でも簡単にカット可能です。
そのため、車内の寸法にぴったり合わせた設計が可能です。
また、パイプ同士を接続するためのジョイント部品も豊富に用意されており、DIY素材として非常に人気があります。
ジョイント部品の種類
ジョイント部品には、「プラスチックジョイント」と「メタルジョイント」の2種類があります。
プラスチックジョイント
・価格が安く、気軽に使える点が魅力です。
・固定には専用の接着剤「サンアロー接着液」を使用しますが、一度接着するとやり直しがきかないため、慎重に進める必要があります。
メタルジョイント
プラスチックジョイントより高価ですが、六角レンチでボルトを締めるだけで簡単に固定できます。
・分解や再組み立てが容易なため、何度でも組み直すことが可能です。初めてのDIYではメタルジョイントの方が使いやすいです。
イレクターパイプを使うメリット
車中泊ベッドDIYでは、家族構成や使い方に応じて作り変えることが多いため、やり直しや調整が可能なメタルジョイントがおすすめです。
また、コストを抑えたい場合は、メルカリやヤフオクなどで中古のメタルジョイントを探してみるのも良い方法です。
DIYでのハイエースベッドの作り方
足場の作成
ハイエースの後部スペースを最大限活用するため、車内の寸法をしっかり測りながら設計図を作成しました。
足場のサイズ感は以下の通りです。
足場のサイズと高さの決定
・一段目の足場の長さ:180cm
・幅:40cmと25cm
・脚の高さ:50cm
【ベッドの高さのポイント】
ベッドの高さは、下に収納する物のサイズを考慮して決めました。
わが家では、無印良品の頑丈収納ボックス(高さ37cm)をよく使っています。
このボックスのフタをベッドの天板を外さずに開け閉めできるよう、脚の高さを50cmに設定しました。
二段ベッド部分のサイズ
【横幅:160cm】
わが家のハイエースはワイドボディ・ハイルーフ仕様で、荷室幅が173cmあります。
しかし、車体は上に行くほど内側にカーブしているため、実際の荷室幅より少し短めに設計しました。
【高さ:50cm】
二段ベッド下の脚部分は50cmを確保。
収納として使いやすいだけでなく、子供が潜り込んで遊ぶスペースにもなっています。
板の選び方と設置方法
ベッド天板は、人や荷物の重さを支えるため、しっかりとした強度が必要です。
乗ったときにたわんだり折れたりしないようにするため、わが家では12mm厚の合板を選びました。
さらに、車内で使用することを考え、シックハウス症候群の原因となるホルムアルデヒドが含まれていないホルムアルデヒドフリーの合板を選ぶと安心です。
これらの合板はホームセンターでも手軽に購入できます。
これを取り回ししやすいサイズにホームセンターでカットしてもらい、やすりやサンダーで切り口を処理して、触ったときにケガをしないようにしました。
足場のフレームには、イレクターパイプの棚板固定用ジョイントを使って固定しています。
初期のベッド天板の使い方
わが家では最初、上の写真のように板を敷き、その上にマットを敷いて寝ていました。
この方法でも快適に使用できましたが、後述するように、さらに利便性を高めるために改良を加えました。
現在の天板
その後、わが家ではベッドキットの天板のみを購入して使用しています。
購入したのはジャンク品でメーカーは不明ですが、46cm×150cm×厚さ6cmの板が4枚セットになっていました。
現在はこの天板をベッドの一段目に活用しています。
材料費と製作日数
DIYが趣味ということもあり、イレクターパイプやメタルジョイントの一部は家にあったものを再利用しました。
おおよその費用は以下の通りです。
• イレクターパイプ:約4,000円
• メタルジョイント:約15,000円(メルカリで中古品を購入)
• 一段目用のベニヤ板:約10,000円(後にベッドキット天板に置き換え)
• 二段目用のベニヤ板:約3,000円
構想に2〜3週間かけましたが、実際の製作日数は、寸法測定と設計に約1日、材料の準備に約1日、組み立て作業に約半日です。
DIYで注意したいポイント
今回のDIYはイレクターパイプと木材だけを使用しており、特別な技術がなくても作業自体は簡単にできます。
ただしDIYでは、一度で完璧なものを作るのは難しいものです。
ポイント①試行錯誤も楽しむ
車内のサイズを測り、使い勝手を想定して設計してみても、実際に車内で組み立ててみると、サイズが合わなかったり、予想以上に圧迫感を感じたりすることもあります。
わが家でも、パイプを切り直したり、ベッドの脚を一本減らしてみたりといった試行錯誤を重ね、ようやく現在の形にたどり着きました。
こうした作業も含めてDIYの楽しさと言えるのではないでしょうか。
わが家のベッドも「世界でただ一つ」のオリジナルベッドであり、家族の車内での過ごし方の変化に合わせて少しずつ進化を続けています。
初めてDIYに挑戦する方には、完璧を目指すよりも試行錯誤を楽しむ気持ちで気軽に始めることをおすすめします。
さらに、メタルジョイントを使うなど、後から調整が可能な作り方を取り入れるのもポイントです。
ポイント②強度対策
また、DIYならではの課題として「強度」が挙げられます。
フレームに使用したイレクターパイプはスチール製で、脚の本数や筋交いを適切に配置すればフレームが曲がる心配はほとんどありません。
一方、天板として木材を使用する場合、体重のある大人が乗るとしなってしまうことがあります。
そのため、必要に応じて左右の足場フレームの間に補強用のイレクターパイプを追加するなどの工夫が必要です。
最初はできるだけ頑丈に作り、使用感を確認しながら少しずつ強度を調整すると安心です。
例えば、脚の本数を多めに設定し、荷物の取り出しやすさと強度のバランスを見ながら、脚を徐々に減らしていくという方法も効果的です。
クッション入り天板の活用
ベッドの構造自体は、フレームに天板を渡すだけでも十分機能します。
しかし、快適な寝心地を追求するには、その上にマットなどを敷き、クッション性を高める工夫が必要です。
わが家でも最初の頃は、天板として使用したベニヤ板の上に、空気で膨らませるタイプのキャンプマットを敷いていました。
ただ、キャンプマットの取り回しの手間が次第に気になるように・・・。
そんなとき、ヤフオクでハイエースのベッドキットの天板だけが出品されていたのを発見。
送料込みで約15,000円というお手頃価格で購入しました。
購入した天板はナローボディ用のため、ワイドボディのわが家の車幅には少し足りませんでした。
そこで、空いているスペースをベニヤ板でカバーし、物が下に落ちないよう工夫しました。
こうしたアレンジもDIYの楽しさの一つです。
専用パーツをそのまま使うだけでなく、自分たちの車やスタイルに合わせて少し工夫を加えることで、理想的なベッドを作り上げることができます。
ハイエース車中泊ベッドDIYの魅力とまとめ
わが家の車中泊用二段ベッドはいかがでしたでしょうか。
ベッドを自作することで、費用を抑えつつ、車のサイズや車中泊スタイルにぴったり合った設計することができます。
さらに、カスタマイズしやすい構造に仕上げているため、家族構成やライフスタイルの変化に応じて改良を加えられるのも大きな魅力です。
材料や構造は非常にシンプルなので、DIY初心者でも挑戦しやすいのがポイントです。
ぜひ、この記事を参考に、自分だけのベッドを作り、快適で楽しい車中泊ライフを実現してみてください!