厳罰化でも減ってない?あおり運転の予防方法や対策について考えてみた
あおり運転の一般的な対処法
ここでもう一度、チューリッヒ保険会社の「2024年あおり運転実態調査」に掲載されたグラフを見てみましょう。
次のグラフは、あおり運転されたドライバーがとった対処法を集計したものです。
「道を譲った」が最多で、ほかには「何もしなかった」「ドアや窓を完全に締めてロックした」などの回答が並んでいますね。
これらの回答は、あおり運転を受けたときの一般的な対処法といえそうです。続いてもう1つグラフをご覧ください。
こちらの回答は、あおり運転の一般的な予防策と捉えられます。
“周囲のドライバーを刺激しない運転”にあたる回答が並ぶなか、「ドライブレコーダーを設置した」が2番目に多くなっていますね。
ドライブレコーダーはあおり運転の証拠を残せますし、「録画中」のステッカーだけでも他車を牽制できそう。
ただ、そのドライブレコーダーが普及しつつある現在も、あおり運転は起こり続けているんですよね……。
通信型ドライブレコーダーがあおり運転を防ぐ?
結局のところ、あおり運転は感情的になって行う危険行為なので、厳罰化やドライブレコーダーではあまり抑制できないのかもしれません。
ただ、逮捕される可能性がより高まれば、実行を思いとどまるドライバーも増えそうな気がします。
では、あおり運転が逮捕につながる可能性を上げるにはどうすればいいのか?
答えのヒントになりそうなプレスリリースを見つけたので、本コラムの最後に紹介しておきましょう。
コムテックのプレスリリース
2024年6月11日、株式会社コムテックがドライブレコーダーに関するプレスリリースを発表しました。
これによると、コムテックとオートバックスセブン、プレステージ・コアソリューション、プレミア・エイドの4社が、通信型ドライブレコーダーの開発および関連サービス提供に向けて連携することに合意したそうです。
具体的な新製品や新サービスの内容は未定ですが、4社連携の目標には、あおり運転発生時に役立つソリューションの提供が含まれている模様。
ちなみに、コムテックの一部ドライブレコーダー製品には、あおり運転を検知する機能や通信機能がすでに備わっています。
ただ、警察に直接通報するような機能は搭載されていません。
この点が新製品でカバーされれば、あおり運転を受けて通報〜逮捕に至る流れがスムーズになりそうです。
移動体通信サービスの開発と普及に期待
上記プレスリリースの4社が目指す開発は、コネクテッドカーの機能を既存車でも使えるようにするものといえます。
一部のコネクテッドカーには、緊急通報をサポートする機能が搭載されているわけですが、同様の機能がドライブレコーダーに備われば、既存車でもあおり運転に対処しやすくなるでしょう。
また、こうした装備が普及すれば、その存在自体があおり運転を抑止するかもしれません。
「通報機能付きドライブレコーダー装備車」なんてステッカーが車に貼ってあったら、あおり運転したくてもできず「ぐぬぬ」となりそうですよね。
何にせよ、あおり運転は起きないに越したことはありません。あおり運転対策に役立つ、新しい移動体通信サービスの開発と普及に期待したいところです。
ライター:加藤 貴之
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