キャンピングカー・モーターホームの車検ってどうなの?
車体の構造について
車両としての機能の検査に加えて、車検では「車体」の構造も対象となります。
乗用車なら乗車設備、貨物車なら積載設備、キャンピングカーであれば当然「キャンピング車」としての設備や構造を検査します。
これは細かな要件が決められているので、安易にDIYなどで内部を改造などしている場合には注意が必要です。
製造年や車体によって要件も異なります。
実際に筆者が経験した車検に通らなくなってしまった改造の例
キャンピングカーとして登録された車輌にバイクを積みたいと言う理由から椅子兼用のベッドを取り外してしまった車輌が有りました。
椅子がない事で乗車定員が変わり、ベッドも無いので就寝定員も変わってしまいます。
当然このままでは車検には通りません。
元の状態に戻すか、この状態で「車体の形状」を変える「構造変更検査」を受ける必要があります。
使いやすく改造したつもりが、後々困った事になる場合があります。購入時にもしっかりと車体を確認しておきましょう。
特に個人売買などでは注意が必要です。
車検を長く取っていないと言う車の中には、そもそも車検に合格出来なかった?と言う事もなきにしもあらず。
整備や点検の観点からみたら車検は中型トラックと同じレベルの内容になると思います。
ベース車両がトラックやバンが中心ですので、構造は同じということですね。
車検に出すときは基本的に荷物などを降ろすようにしましょう。
ブレーキテストなども車体重量に近い状態で検査することになっています。
車体の外にラダーやラックを付けている場合には取り外してください。
簡単に脱着できる構造の物はそのまま検査を受けることが出来ますが、ボルトナットやリベットで留められた物は車体の一部とみなされる事も。
ヒッチメンバーにキャリアなどを取り付けている車両の多くが規定を超えているように見受けられます。
車体からはみ出して良い長さは車体全長の10%までとなります。
5mの車なら50cm迄となります。
車検に通らない物を付けた状態で検査に出した場合、それらの脱着費用を求められることもあり、更にそれらを再度取り付けて納車が出来ない(法令違反)場合もあります。
車検や重量税、キャンピングカーユーザーにかかる費用は?
法定費用と呼ばれる自動車重量税、自賠責保険、検査登録費用、これらは車検時に現金で支払う必要がある費用となります。
車重が思いモーターホームでは「重量税」はかなり高額となる場合が多く、筆者の愛車「BCヴァーノン」6mのキャブコンバージョン(外車)では車両総重量が4tを超えるのと、登録から18年以上経過しているので割増となり2年分の料金は63,000円となります。
国産車や欧州のキャンピングカーは車重が軽く出来ている物もあり、「重量」=「維持費」に直結するので助かりますね。
自賠責保険は車重や排気量に関係なく、特種車両では24カ月で22,450円です。
費用の面を考えると、キャンピングカー・モーターホームでも乗用車と同じく「大きく重く、排気量が大きい」車両は全ての点において経費がその分掛かると言っていいでしょう。
大きくなれば当然部品も大きく、作業も大変になるのでその分整備費用も高くなります。
車検と同時ではありませんが、自動車税も見逃せません。
こちらは排気量と車種ごとに税率が決められている都道府県税で、毎年5月に納税しこれが証明できないと車検は受けることが出来ません。
キャンピングカーの場合はベース車両の税率から一定の割引となる税金が課せられるので、大排気量の北米車は高額な税金となります。
バンコンの中にはキャンピング車とせず、「貨物」の状態で登録されている物もあり、その場合自動車税は安くなります。
このように、キャンピングカー・モーターホームの「車検」には、法的側面、技術的側面、費用的側面が複雑に入り混じっており、所有される車両ごとに費用や内容が大きく異なります。
まとめ
これから購入しようという方は、必ず事前に欲しい車両について入念に下調べをしてください。
使い勝手はもとより、税金や保険がどうなるのか?車体の形状は何になるのか?
特に中古車を購入する場合は、新車登録時から車体の構造や寸法が変わってしまっていることが多くあります。
既に所有されている方には、是非とも定期点検の実施を強くお勧めします。
日常的に動かさない車両であればあるほど、出先でのトラブルを予測することが困難になってきます。
沢山の設備と荷物、そして人を乗せて遠くまで走る車です。
車検の度に、「次の車検」まで安心して運行できるような点検と整備を実施していただきたいと思います。