キャンピングカーの中古車を初見で即日購入に至った3つの幸運



人生初のキャンピングカーを購入しました。

トヨタカローラ横浜が手がけ、ディーラー発のキャンピングカーとして話題の「アルトピアーノ」です。

昨今のキャンプブーム、キャンピングカーブームの中、ご多聞に漏れず「久々にキャンプしたいな~」等と思っていた筆者が、急転直下、「アルトピアーノ」のオーナーになることができたのには、幾つかの幸運が重なり合ってのことでした。

今回は、筆者が家族と決めたルールの下で見つけたキャンピングカー「アルトピアーノ」を初見かつ即日契約で購入し、初めてのキャンピングカーオーナーとなった経緯をご紹介したいと思います。

キャンピングカーを購入しようと決意するまでの流れ


キャンピングカーサイドにタープを張ってキャンプしている風景

筆者は、キャンプは初めてではありませんし、基本的にアウトドア好きです。

昔はスポーツタイプのハッチバックにテントや寝袋、コンロなどを満載してよく出かけたものでしたが、いつの間にかキャンプに行かなくなってしまいました。

年齢を重ねていくうちに、テントで寝ると体が痛くなるとか、キャンプ後の片づけや道具のメンテナンスが面倒くさい等々思うようになり、すっかりキャンプから遠ざかっていったのです。

そんな中、昨今のキャンプブーム・キャンピングカーブームの流れや、女子高校生を主人公にしたキャンプ漫画の影響などで、私の中にほんの少し残っていたキャンプ熱が再び燃え上がってきたのでした。

先日、伊豆へ河津桜を見にドライブに出かけた際にも途中で何台ものキャンピングカーとすれ違い、桜祭り会場の駐車場にも大小様々なキャンピングカーが止まっていて、「なるほどブームだわ」と納得。

そして、「自分も…」という気持ちが大いにかき立てられたのです。

キャンピングカー購入に気持ちが傾いたわけ


とはいっても、最初は単に、「またキャンプしたいなあ」という程度で、特にキャンピングカーを購入するとは考えていませんでした。

しかし、昔使っていた道具は甥・姪たちに譲ってしまっていて、手元にあるのは1987年製の古びたコールマンの2バーナーとコッヘルと寝袋程度。

もはやテントもタープ、ランタンやテーブルも椅子さえもなかったのですが、逆に言えば、これからどんなスタイルでキャンプを再開してもいいのだという、まるで制約のない状態でのスタートです。

今思うと、昔のテントキャンプ用の道具がちゃんと残っていたとしたら、もしかするとキャンピングカー購入へ動く事はなかったのかもしれません。

「どんなキャンプがいいかな」

暇さえあれば日々そんな事ばかり考えるようになり、そうするうちに少しずつですが、自分がやりたいキャンプのスタイルが見えてきました。

しかし、やはり「テントで寝る」という事は避けたいという思いは消えませんでした。キャンプ中に豪雨に遭い、テントに浸水、眠ることもままならないなどという経験は、もう二度としたくありません。

そう考えると、テント設営の手間のいらない車中泊できるキャンピングカーに大いに魅力を感じるようになっていったのです。

キャンピングカー購入を具体的に考え始める


テントで寝たくない。

そこからキャンピングカーの存在に意識が向くようになっていったのですが、当初はキャンピングカーのレンタルを想定していたのです。

というのも、レンタルであれば、軽キャンやキャブコンなど好きな車種を借りられますし、キャンピングカー購入費用に換算すると、100回以上に相当するレンタル料2~3万円(24時間)は経済的に思えたからです。

月に1回レンタルしたとすると、8年以上も毎月キャンピングカーを借りられる計算になります。

しかし、レンタルだと必ずしも人気車種を借りられる保証がない事や、ハイシーズンにはレンタル料金が割増しになる上に、好みの車種が借りにくくなるのは目に見えています。

それどころか、下手をすると、休みを取った日に借りられるキャンピングカーそのものがないという事も。

ところが、購入してしまえば、こうしたネガティブ要素はクリアされ、いつでも自分の好きな時に好きなだけ使う事ができるわけです。

さらに、災害時のことも考えました。

雨露を凌げ、手足を延ばして眠れる場所が確保でき、数日間の電力供給が可能なキャンピングカーは災害発生時、大いに役立つにちがいありません。

しかし、いざ購入するとなれば、購入費用の他に税金や駐車場代・保険料等の維持費が加わりますので、家計への負担は、決して小さくありません。かといって、レンタルではあくまで自分のものにはならない。

この二つを考え併せ、悩んでいるうちに、「購入」という選択肢も「あり」と考えるようになった次第です。

キャンピングカー購入に当たって定めた我が家の2つの方針


さて、いよいよ購入しようと動き出したものの、一般庶民である我が家が自由に、どんなキャンピングカーでも選べるわけではありません。

しかし、購入金額を抑えたばかりに機能や装備が足りず、キャンプ自体が面白くないのでは意味がありません。

ではどうすればいいのか?やはりコスパ重視で探すしかありません。

そこで我が家では、以下の2点の方針を定めました。

(1) キャンピングカーの購入代金は、諸費用込みで「300万円」までとする
(2) 予算300万円の新車では、望む装備を得られないので、コスパ重視の「中古車」をメインに探す

というのも、昨今のキャンピングカーを調べてみると、「価格」はベース車両の大きさに比例しない事がよくあり、軽自動車ベースであっても新車で400万円超は珍しくありません。となると、予算300万円でも1クラス大きなタウンエースやNV200ベースのクラスまで候補に入るのではないかと考えたからです。

こうして夫婦で話し合って決めた方針に従って、キャンピングカー探しはじめた訳ですが、後に振り返ってみると、この「予算上限300万円」「中古車を候補に探す」という2つの方針を決めた事が、今回アルトピアーノ購入に至る「3つの幸運」の始まりだったのではないか、と思えるのです。

幸運その①~自宅から最も近くにあったアルトピアーノ


クルマを買う時に、実車を見ないで買う人は、ほとんどいないと思います。

しかし、一般のクルマであれば、全国各地に自動車メーカーの正規ディーラー網が張り巡らされていますが、キャンピングカーの場合は少々特殊です。

キャンピングカーは、全国各地に散らばる「ビルダー」と呼ばれる専門の架装メーカーさん1軒1軒が異なるキャンピングカーを製作・販売しているため、カタログやWEB等で気に入ったキャンピングカーを見つけても、そう簡単に実車を見る事はできないのです。

戸塚U-Carセンターの外観

そこで我が家では、平日休みを利用して実車を見られるビルダーさんを訪問する事にして、まず手始めに「自宅から最も近い場所」として選んだのが、自宅から20km程、車で20~30分の所にある「トヨタカローラ横浜」の戸塚U-Carセンターでした。

ここに「アルトピアーノ」の中古車が3台展示してある事を中古車情報サイトで知り、家内を伴って「まずは手始めに近場から…」程度の軽い気持ちで出かけたのです。

トヨタカローラ横浜の店内風景

出典:トヨタカローラ横浜



その時点では、他にも見たいキャンピングカーがありましたし、トヨタ系の1ディーラーが作っているキャンピングカーなんて、とあまり期待していませんでした。

ましてや、よもや購入する気などさらさらなかったのです。

しかし、振り返ってみると、自宅から一番近くにあった中古キャンピングカー「アルトピアーノ」の実車があり、そして3台のうちの1台は、私が望む機能・装備をほぼ満たす、言わば「理想の1台」だった事が、最初の「幸運」でした。

アルトピアーノは、ディーラーが製作するタウンエースベースのキャンパー


U-Carセンターで展示されているアルトピアーノ

U-Carセンターで展示されていたアルトピアーノ



今回購入したキャンピングカー「アルトピアーノ」は、ちょっと変わっています。

普通のキャンピングカーは、自動車メーカーが製造した車両(クルマ本体)をベースに、「ビルダー」と呼ばれるキャンピングカー専門の架装業者さんが架装して作られており、基本的に販売もビルダーが行います。

しかし、アルトピアーノは、トヨタのタウンエースバンをベースに、トヨタ自動車の正規ディーラーであるトヨタカローラ横浜が製造も手がける、いわゆる「ディーラー発」のキャンピングカーなのです。

そのため、タウンエースとしての車両メンテナンスも、キャンピングカー「アルトピアーノ」としての修理や改装なども一括してディーラーに依頼できるという点が大きな安心感となっており、この事が購入を決めた最初のポイントでもありました。

つまり、アルトピアーノをトヨタカローラ横浜というトヨタ系ディーラーが作っているからこそ、自社の中古車センターに在庫があった訳で、他車のようなビルダーが製作するキャンピングカーであれば、トヨタ系中古車センターに入庫することはなく、筆者が「一番近く」で出会う事はなかったという訳です。

さらに、夫婦二人のキャンピングカーとして、軽自動車ベースより少し大きい「夫婦にちょうど良いサイズ」という狙いに、タウンエースベースのアルトピアーノが合致していた事もまた、幸運のひとつだったかもしれません。

幸運その②~120万円分の装備満載で予算以内の中古車


アルトピアーノの車内

キャンピングカーは、非常に高価です。

先ほども少し述べましたが、軽キャンでも必要な装備を付けて新車で購入となれば300~400万円はしますし、もう少し大きなバンコンやキャブコンとなれば、500万円を超えるケースも珍しくありません。さらに、海外製となれば1,000万円の大台も軽く越えてしまうような豪華なキャンカーもたくさんあります。

しかし、我が家のような一般庶民は、そんなに高額な買い物はできません。ましてやSUVを1台目として所有しているため、アルトピアーノは2台目です。諸費用や保険料・駐車場代まで含めると、家計への負担は大きいため、中古車狙いという方針を立てたわけです。

アルトピアーノGL/4AT/4WD
ビルダー:トヨタカローラ横浜
タイプ:バンコン
ベース車両:トヨタ タウンエース バン
新車価格:¥2,910,182(税別)


今回実際に購入したアルトピアーノと、同グレード・装備を新車で購入した場合、付属品・装備品の価格は1,090,700円です。

諸費用なども合わせると約450万円程度になると思います。

2つ目の幸運は、このアルトピアーノを最初に購入したオーナーがチョイスしたオプション装備が、筆者の希望にジャストフィットだったこと。そして中古車としての値付けが、「2,990,2000円」という、我が家の予算ドンピシャの価格だったことでした。

さらにラッキーだったのは、追加オプションです。

外部電源、遮光スクリーン+網戸は前オーナーは付けておらず、今回の購入時に追加しました。この装備ですが、トヨタカローラ横浜の決算月との事でディーラー負担のサービスとして提供して貰えたのです。元々の価格に別途コストが発生しなかった事も大きな幸運でした。

中古キャンピングカーは、思ったより足が速い


U-Carセンターで展示されているアルトピアーノ2

U-Carセンターで展示されていたアルトピアーノ



余談ですが、今回、中古アルトピアーノを購入して分かった事があります。

実は、戸塚U-Carセンターでアルトピアーノの実車を見に出かけた際、3台の中古アルトピアーノが展示されており、うち1台はすでに売約済み。残る2台は筆者が購入した1台と、もう1台が買い手を待っている状態でしたが、数日後には残っていた1台も売約済みの札がついていたのです。

筆者は、見に行った当日にそのまま契約してしまいましたが、正直他のキャンピングカーも見た方が良かったかな、という気持ちがないわけではありませんでした。しかし、それからすぐに残っていた1台にも、「あっという間に」買い手が付いた事を考えると、迷わず購入を決めてよかったと思います。

※ 中古車は1点もの~同条件のクルマは2度と現れない

新車は、選んだグレードやオプション装備などで、同じものがいくらでも生産する事ができますが、中古車の場合には、前オーナーが注文した装備しか搭載されていませんし、構造変更を伴うようなオプションは基本的に追加できず、言ってみれば中古車1台1台が「1点もの」になります。

今回購入した「アルトピアーノ」も同じで、そもそも人気のキャンピングカーはタマ数が極端に少ない上に、自分が欲しい装備がほとんど全て搭載され、汚れや傷も少なくて価格も予算内という、驚くような好条件の1台でした。

この「1点もの」を逃したら、同じ条件には二度と巡り合えないと感じ、僅か1台だけしか見ていませんが即決した次第です。

幸運③~駐車場がすんなり用意できたこと


駐車場

駐車場を用意しないとクルマを買う事はできません

2台目としてキャンピングカーを購入するにあたって、ハードルとなるのは、クルマ選びや価格(予算)等の他にも厄介な問題があります。駐車場です。

この事は、アルトピアーノ購入には直接関係ないのですが、駐車場が用意できなければ、いくら予算内で欲しい装備が満載でも購入に踏み切る事はできませんので、少し駐車場の話しもしておこうと思います。

実は、1世帯に1台分の駐車場が付いた分譲マンションで暮らす我が家は、平置き駐車場付き区画なのです。当然、我が家の駐車場には、1台目のSUVが止まっていますので、本来なら他に駐車場を用意しなければなりません。

しかし、これも幸運としか言いようがないのですが、昨年に入居された隣家の方が車を保有しておらず、ずっとその隣家の方の駐車場が空いたままになっていました。そこで、キャンピングカー購入の検討を始めた当初、駐車場を借りられないかを隣家の方に打診したところ、快諾して貰えたのです。

以前は何年も車をお持ちの方がお住まいでしたが、入れ替わりで新しく入居された方が車購入の予定がなかったというのも、幸運としか言いようがありません。

もし、この隣家の方の駐車場を借りられなければ、今回のアルトピアーノ購入は無かったかもしれませんので、この事も大きな幸運だったと言えるでしょう。

予算300万円で初見即日契約のアルトピアーノまとめ


アルトピアーノでキャンプをしている風景

「まずは手始めに近場から」という軽い気持ちで実車を見に行き、その日のうちに商談~契約してしまったアルトピアーノですが、契約から1か月ほど経過した現在でも後悔はありません。

筆者が必要と思う装備をフルに備えたアルトピアーノは、どう考えても同じ条件の物件には2度と巡り合えないでしょう。

加えて予算もぴったりな上に、トヨタカローラ横浜の決算月に当たった事もあり、購入時注文品をサービスで取り付けて貰えた事もラッキー以外の何物でもありません。

さらには、隣家の方の駐車場を割安に借りられるというツキも加わり、あまりに幸運過ぎて、何かしら「運命」さえ感じてしまうアルトピアーノ購入でした。

あまりにも幸運が揃い過ぎていて、これからキャンピングカー購入を検討されている方の参考にはならないかもしれませんが、ただ、これだけは言えます。

「中古車はその場限りの1点ものである」

クルマにも、出会いというものがきっとある…そんな事を感じたアルトピアーノ購入でした。