SWALLOW ZERO9

電動キックボードSWALLOW ZERO9は車旅に最適な相棒 -電動キックボード基礎知識編-




電動キックボードに向いた道、走りやすい道、走りにくい道


バイクは路側帯の走行は禁止だ。

また、高速道路など自動車専用道の路肩は四輪の車もバイクも走行禁止だが、そもそも自動車専用道を走行できない原付にとってこれは関係のない話だ。

路側帯

歩道のないこの道の白線の外側は路側帯となり、遡行できない。



また、一般道でも四輪の車は路肩の走行は禁止だが、バイクは一般道なら路肩走行は通常禁止ではない。

ここがポイントだ。

小綺麗な街

車線の左側、歩道との間に白線が引かれ、路肩が広い道路は、路上駐車の車が少なければ電動キックボードは安心して走行できる。

交通量が多くても整備された街中の道は意外にも走りやすいのである。

郊外

道幅が狭くても交通量の少ない郊外や田舎の道も電動キックボードには向いている。

むしろ道幅が狭いと車の速度も普通は遅い(中には無茶なスピードを出す輩もいるが)から、安心して走行できる。

堤

徒歩や自転車の場合は、上り坂で道を間違えたりすると無駄な体力を消耗して残念な気持ちになってしまうが、電動キックボードならそれも苦にならないから、綿密に計画など立てずに適当に目的地を目指すのが面白い。

堤

思わぬ発見があったりして、むしろそんな走り方の方が楽しかったりする。

港

以前友人の知人の十勝の網元の家にお邪魔した際に、集落が広々としていて北米の漁村のようだとビックリしたことがあったが、そんなのは例外中の例外。

日本の漁村は大抵どこに行っても道が非常に狭い。

無茶苦茶狭い。

迂闊に集落に侵入しようものなら曲がれない道に入り込んでしまうなど、とんでもないことになってしまうようなこともある。

海岸に出たくても、知らない漁村の集落にはやたらに車で入ろうとせず、車は広いところに駐車した方が賢明(ナビもあまり当てにしない方が良い)だ。

しかし、そんな場面でも電動キックボードが大活躍しそうだ。

これで集落内や海岸線を散歩しても楽しいし、まずはこれで偵察してから車を移動するのも良さそうだ。

逆に電動キックボードで走りにくい道についてだが、案外怖いのが、満足な歩道もないような古い規格の田舎の幹線道路だ。

こうした道路は道幅が広くはないのに車の走行速度が結構速い。

車線いっぱいに使って大型トラックやバスも走る。

私が最も頻繁に利用する近所の片側一車線の街道(県道)がまさにそんな道で、電動キックボードや自転車ではできれば走りたくない。

言い換えれば、電動キックボードを運転することが怖いのではなく、他人の運転する車が怖いのだ。

トンネル

古くて狭いトンネルなんかも入りたくないと思った。

しかし、「車+電動キックボード」なら、電動キックボードでこうした道路の走行は極力避け、こういった道は車で移動して、その先で電動キックボードを活用すれば良いまでだ。

弱点や問題点について


何もかも良いことばかりではない。

便利で楽しい電動キックボードにも弱点はあるが、ものは考えよう。

この乗り物に何を求めるのか基本に立ち返り、工夫をすれば問題などないはずだ。

小径ホイール


ホイールが小径であることに不満を抱く人や弱点と捉える人もいるようだが、これについては乗り心地・走破性の項目で述べた通り。

ミラー・後方の確認


ミラー

走行はキープレフトが原則だが、右折する時には当然車線の中央に寄らなければならず、後方の確認が必要だ

また、速度が遅く相対的に路上では「か弱い存在」であるが故、直進走行中もどんな車がどんなスピードで後ろから迫ってきているのか気になる。

特に路肩に駐車している車や障害物を避ける場合などはしっかり後方確認しないと危険だ。

そして、慣れの問題もあるのだろうが、直接振り返って後方確認することがバイクより怖い。

特に幅が狭いのに交通量が多いような道で振り返るのが嫌なのだが、路面が荒れていたりしたらなおさらだ。

法令的にもミラーの装着は必要だが、こうしたことから公道を走行する電動キックボードにとって案外ミラーは重要だと感じた。

しかし、キックボードはバイクよりハンドルと体との距離が近いなどの乗車姿勢も影響しているかもしれないが、ハンドルの幅も狭くてミラーのステイもあまり長くできない(あまり長くしてしまうと邪魔なだけでなく、壊しやすそうでもある)ため、決してミラーは見やすくはない。

それでもZERO9のミラーは多分マシな方で、向きをちゃんと調整すれば十分実用になる。中には保安基準を満たすためだけに付けたと思われるような、あまり実用にはならなさそうなミラーが付けられているものもある。

ミラーなんて形だけで付いていれば良いなんて思っていると然に非ず。

電動キックボードを選ぶ際にミラーは意外と気にかけた方が良い点の一つであると思う。

また、YouTubeなどで他の人も指摘しているが、最初はミラーの調整のしにくさに少し戸惑った。

バイクの場合はシートに跨った状態、要するに走行している時と同じ姿勢で止まってミラーを調節することができ、走行中にハンドルから片手を離してミラーをいじるのも難しいことではない。

しかし、キックボードは走行中と止まって片足を地面に着けた状態とでは頭の高さが全然違ってしまうため、止まって片足を地面に着けた状態ではミラーを正しい向きに調整することができない。

そして、バイクのように片手運転することも儘ならない。

また、折り畳むとほぼ毎回ミラーの向きを調整し直す必要がある。

これはZERO9に限ったことではなく、電動キックボード全般に当てはまることだと思う。

当初これはちょっと厄介な点だなあと思っていたのだが、良い解決方法を思いついた。

縁石

上の画像のように縁石などがあるところの横に着け、右足はキックボードの上、左足は縁石の上に乗せてボードを水平に保って立てば、走行している時と同じ状態になる。

その状態でミラーの調整をすれば良いのだ。

また、折り畳みの踏み台などを車に積んでおいたら縁石などがなくても問題なし。

これで少なくともZERO9の場合はミラー問題に関して一件落着。

※ミラーは現在、視野が今より広くなり、収納のたびの再調整が必要なくなるバーエンドタイプに改善中で、更に使いやすくなるとのことです。

右折


ミラーの項目で述べた通り、右折するために車線の中央に移動するのが怖い状況もあると往々にしてあると感じた。

しかし、交通量の多いような道では無理せず二段階右折をすれば良いだけだと私は思う。

身軽だから二段階右折も全然面倒ではない。

二段階右折禁止の交差点なら、道路の端に寄って一旦電源を切ってしまい、押して歩く歩行者になって二段階右折のように進めば良いのではないかと思う。

軽くて身軽だからそれも全く苦ではない。

手軽で身軽に行動できる大きなメリットがあるのだから、信号を一回待つ時間より自分の身の安全を優先した方が良い。

車で旅に持ち出しこそ本領を発揮する


駐車場

本稿では基礎知識的な話が中心になってしまったが、電動キックボードに対してモヤモヤしたものを感じていた人がこの記事で少しでもスッキリしていただけたら幸いだ。

次回は、実際にやってみて合理的と感じた使い方の実例や車載に関して、また、「車+電動キックボード」でやってみたいと思ったことなど、車旅に電動キックボードを持ち出す魅力やメリットについて、より具体的な話をしたいと思っている。