東京キャンピングカーショー2019で感じたキャンピングカーの変遷と注目ポイント

東京キャンピングカーショー2019で感じたキャンピングカーの変遷と注目ポイント




私がキャンピングカーで最も重視する点


アウトドアスポーツやウォータースポーツなどの足&基地としての活用を考える場合は、関連する道具を積むための十分なスペースが必要だ。シンプルに言えば、大きな荷物を運べる車でなければ意味がない。

例えば私の場合は、車内にインフレータブルのSUPのボードやフォールディングカヤックを積めることが必須だ。それがマウンテンバイクやスキー・スノーボードなどの人も勿論いる。

SUP 道具

左が特別に小さくなるタイプのインフレータブルSUP、真ん中が一般的な大きさのインフレータブルSUP、右がフォールディングカヤック。どちらのバッグも大きさが高さ90cm位x 幅40cm位x 奥行25cm位で、ヤマト運輸宅急便や日本郵便ゆうパックの160サイズぎりぎりセーフな程度の大きさだ。たためると言ってもそこそこ大きいが、自転車やオートバイの場合はもっと大きい。

私にとっての必須条件の1つ目が、この写真にあるようなインフレータブルSUP(用途に応じて複数)やフォールディングカヤックと関連の用具やウェットスーツなどのウェア類などを積んだまま車内で寝られることだ。

何も置いていない広い居住空間を見たり、車の周りにいかにもな雰囲気でそういった道具類が並べられた光景を見ると、全部積み込んでも快適な空間が確保されているのではと錯覚してしまうこともあるかと思う。

しかし、冷静になって目の前の実車にそういった具体的な自分に必要な荷物を積んだところを想像してみると、そのままでは寝たり食事したりなんて到底できなさそうな車も意外と多いことがわかる。就寝可能な人数より、実際の人数+人数分の荷物を想像してみることも大切だ。

実際の使用状況を考えると、例えば目的地に着く前に高速のSAとかで車内で寝る際に、荷物を外に出さなければ寝られないのでは全く意味がない。雨が降っていたりしたら、荷物を一旦外に出して整理して寝床を作るなんてこともしたくない。積んだ荷物はそのままですぐに寝られるようになっていなければ、キャンプ場でキャンプを楽しむための車としては役に立っても、実用車にはならないのだ。

そして、第2の条件と言うか理想的だと思うのは、インフレータブルではないSUPのボードを、できれば車の屋根ではなく中に積み、それをどかさなくても寝られることだ。

ハイエース ボード収納

私のキャラバンの車内の天井にはこうして常に9ft(約275cm)のボードが収まっていて、もちろんこのまま寝ることもできる。駐車中にボードの盗難に遭ったり走行中の事故(ボードを飛ばしてしまう)の心配がなく、また長距離を走ってもボードが傷む心配もない。

このためには室内長も必要だが、テールゲートの開く普通のバンだから入れらるけど、ドアの位置や大きさによっては例え車に十分な大きさがあったとして不可能となってしまう。

と言うことで、私の関心事は、居住設備より何より、兎にも角にも十分な積載スペースがあるかどうか。これに尽きる。

そして、私の場合はこれ(SUPやカヤックを扱うこと)が生業だから、仕事の旅の場合は自分の分だけでなく、ボードやカヤックを何本も積まなければならないこともあり、より一層荷物の積載スペースが重要になってくる。そんな視点で見てくるとこんなところに目が行く。

キャンピングカー リアハッチ

これは車体後部の少し高くなったところに横向きの常設ベッドがあり、その下が荷室になっている車。荷室が大変大きく取れていて、私の1つ目の条件をクリアしている。この写真の車はキャブコンだが、「車体後部に横向きのベッドがあって、その下が大きな荷室」は、ヨーロッパ車のバンをベースにした自作のバンライフの車の写真などでも一番多く見られるレイアアウトだ。横向きに寝られる幅のある車なら最も合理的なレイアアウトなのではと思う。

しかし、一つ注意しなければならないと思うことがある。キャンピングカーの設備は重量が重い。設備だけで車に相当に負担がかかっているのに、広い荷室に載せられるだけ重い荷物を積んでしまうと、許容範囲をオーバーしてシャーシが耐えられなくなってしまう可能性もあると思う。

また駆動方式がFFの場合は、駆動輪に十分な荷重がかからずトラクションが不足しまう可能性もある。どちらも非常に危険だ。広い荷室が欲しいと言っておきながら矛盾してしまうような見解だが、車を選ぶ際にはこうしたことも十分確認しておきたいものだ。

キャブコン リアハッチ

上の写真は国産車ベースの小型のキャブコン。後ろに大きく開く扉があり、ここから長いボードの出し入れができそうなところが良い。意外とこういった大きな開口部のあるキャブコンは多くないと思う。ボードを入れた後どこに置くかといった課題は残るが、買える買えないは別として、キャブコンならこのタイプだなと思った。

室内高と全高


キャンピングカー シャワー

絶対必要というわけではないけど、冬に海から上がった際に、できれば温かい室内でウェットスーツも全部脱いで温かいシャワーを浴びられたらと思うことがある。だから、もし私がバンではなくてキャンピングカーに乗るのなら、シャワー室のある車を選ぶことになると思う。しかし、それには相応の高さが必要だ。

立体駐車場は高さ制限が2.3mまでのところが多い。例えば羽田空港の駐車場などがそうだ。それ以下の2.1mとかのところも少なくないが、比較的大きな船橋のIKEAなんかでも2.45mまで(背の高い車用に屋外駐車場もあるが)となっている。この2.3mという高さは、ノーマルのキャリアなども付けていないハイエースやキャラバンのスーパーロング(ワイドボディーでハイルーフ)がギリギリ入る高さだ。

しかし、車高の高いハイエース・キャラバンのハイルーフとは言え、身長が160cm以上ある人が、真っ直ぐに立つことのできる室内高はない。160cmもあれば着替え程度には十分便利な高さで、車内で立って調理したりシャワーを浴びたりするのでなければ必要のない高さではあるが、あんなに大きく見えるハイエースやキャラバンのスパーロングでさえ、室内高はそんなに高くはないということだ。

低床なFFの車だったらどうだろうと思い調べてみところ、ミニバンをハイルーフに改造したで車で、全高ぎりぎり2.3m以内で室内高1.67mの車があった。しかし身長が175cmあるとやはり立つことは無理。現実的には、室内でシャワーを使える車の場合は、駐車場にかなり制約が出てしまうことは覚悟しなければならなさそうだ。

というところで結構長くなってしまったので、この続きはまた次回。

高さに続いて問題となるのが長さと幅。そして、シャワーが使えるか否かは別として、立体駐車場の高さ制限の問題をクリアしつつ室内高を稼ぐ方法としてポップアップルーフがあるが、ポップアップルーフの車も多かったのでポップアップルーフに関しての話。

それと、軽キャンパー・ミニバンキャンパーも多く注目度も高かったので、次回はそんなところを中心に話を進めたいと思う。