文句ナシの燃費!ハスラーで車中泊旅を楽しむ女性オーナーをインタビュー



何台も車中泊仕様の車を乗り継いできたのが、九州を拠点とする車中泊歴10年のベテラン、リッツさんだ。

現在は女性に人気のハスラーを相棒に、持ち前のフットワークの軽さを生かして、週末の気ままな車旅を楽しんでいる。

今回リッツさんは、歴代の車中泊仕様車、車中泊を始めたきっかけ、女性ならではの防犯対策などを、たっぷり話してくださった。

【プロフィール】
九州を拠点とするリッツさん
愛車:スズキのハスラー
車中泊歴:10年目

ホテル選びの失敗から、愛車を快適な車中泊仕様車に


―車中泊歴と、歴代の愛車について教えてください。

車旅を始めて、今年で10年になります。初めて車中泊を体験したのはワゴンRですね。車中泊といっても、当時は車内に布団を敷いて寝るだけでしたが(笑)

ワゴンRの次に乗ったのは、エブリー。思い立ったらいつでも車旅に出かけられるよう、畳を敷いていました。布団ももちろん常設です。

次のアルト時代には、京都の天橋立まで行ったことも。

ハスラー 外観

そこから少しブランクがあり、2年前から現在の愛車ハスラーに乗っています。

現時点でもう4万kmくらいは走っていますね。週末は家からハスラーに布団が移動する生活を続けています。

最近は道の駅スタンプラリーに力を入れていますが、家から近い場所も、細々と楽しんでいますよ。

―車を車中泊仕様にされたきっかけを教えてください。

旅先のホテル選びに失敗した経験が続いたことがあったんです。わざわざ部屋から出て、フロント横のトイレを使わないといけなかったり……。

せっかく取ったホテルで変にストレスを感じるくらいなら、いっそ車内でゆっくり過ごすのもアリかと思うようになりました。「車内で寝て、外のトイレを使うのも同じじゃない!?」と感じたんですよね(笑)

ちょうど初夏の頃、眠くて眠くてたまらないことがあったので、上着を羽織って、ついにそのまま車内で寝ちゃいました。それが初めての車中泊だったわけですが、今考えると意外と抵抗なく車中泊を始めていましたね。

多少不便があることは覚悟していたので、割とストレスフリーでした。

防犯面を重視しながら、ベッドを中心に車内をかんたんDIY


―車中泊仕様にDIYされているんですね。ポイントを教えてください。

ハスラー車内 カーテン

やはり女性1人の車中泊なので、防犯面を重視しました。カーテンは、専用のシェードとカーテンの二重構造です。

それでも、道の駅やキャンプ場でなんとなく怖いと感じることも。そんなときは、あきらめて次の場所に移動するようにしています。

ポップアップテントも憧れるんですが、防犯面を考えるとナシですね。寝ているのがパッと見でわかるので。

車内で作業する女性

車内で座ると、こんな感じです。天井の収納ネットの設置場所を前後にすることで、真ん中の居住空間は頭が引っかからないようにしています。

車内 作業机

ちなみに、ネジで留めたりといった大がかりなDIYはしていません。机も手軽に木を載せているだけです。

冬はアウターを掛けるためのハンガーを1本持ってきますが、あとは通年同じ設備ですね。

車内 マット

ベッド展開にかかる時間は、ものの数分。もしかしたら、数秒かも……。後部座席は常にベッド仕様にスタンバイしているので、寝るときは助手席を倒すだけです。

車内の限られたスペースでもベッド展開が完結できるので、雨の日も安心です。家のベッドよりも居心地が良いくらい(笑)

ただ、前車のエブリーやワゴンRと比べて天井が近いので、雨音がちょっとうるさいことはありますね。

寝具に関しては、夏は大判のタオルのみ、冬も掛け布団があれば十分です。ただ、今後は何かあったときに備えて、薄い寝袋だけでも置いておこうかなと考えています。

災害時なども、車内で生活できると安心ですし。今狙っているベッドキットは16万円もするんですが、なにぶん高いので迷っていますね。

車内 ランタン

もちろん、ランタンも常備しています!

―DIYの感想をお聞かせください。失敗した所などはありますか。

仕事が終わった後や週末にせっせとDIYするのですが、やはり1人での作業なので、大変なことが多かったですね。

車内 収納

DIYをしようと思ったのはラゲッジのテーブルが欲しかったからなのですが、完成したテーブルは、なぜか10cmくらい隙間があるんです。そこに荷物がスッポリはまるので、結果オーライではあるんですが(笑)

かかった費用は、計算していなかったのでちょっとわかりません。

プラダン

明らかに失敗したのは、窓にはめるプラダン(プラスチック段ボール)。ハスラーは窓ガラスが比較的カーブしているので、プラダンのカーブ部分のカットが難しくて、型取りはしたものの、どうも長さが足りないんです。次は、窓ガラスがカーブしていないタイプの車体を選ぼうかな(笑)

ちなみに、ハスラーのDIYのゴールはありません。これからも、旅や遊びを重ねて、ハスラーと一緒に成長し続けたいですね。

旅先ではグルメを満喫。急きょ当初の予定よりも遠くに足を延ばした経験も


―車旅では、お食事はどうされていますか。

天井までが近いので、怖くてコンロで火を使うことはありません。基本、外飯です。旅先のおいしい物を食べるのが好きなので、ちょうど良いです。

たまにお店が開いていないときは、おにぎりなどを買って食べますね。車内空間に限りがありますし、面倒くさがりなので片づけをしたくないんです。

キャンプも準備と後片付けが大変そうなので、やらないですね。水とカップ麺は常に積んでいます。

ちなみに私は、カップ麺タイプのうまかっちゃん派!どん兵衛系と、ご当地ラーメンも好きですね。ゼリーも好きなので切らさないようにしています。

私に限らずですが、たぶん車旅に慣れている人は、常に何日間かは車内で生き延びられるくらいの食糧を積んでいますよね(笑)

―車中泊仕様車にする前と後で、ライフスタイルに違いはありますか。

車中泊仕様車にして良かったと一番感じる瞬間は、実は会社のお昼休みなんです。休憩時間におしゃべりをするのも良いですが、自分だけの空間で横になってリラックスできるのは、最高にうれしいですね。

昔から思い立ったらすぐに旅に出る性分なので、そういう意味では車を車中泊仕様にしたからといって、ライフスタイルに大きな変化はありません。

―一番印象に残っている車旅について教えてください。

一番印象に残っているのは、高速料金が一律1,000円の時代、GWの1週間程度の連休を利用して富士山まで行ったことです。

実は、当初は京都に行く予定だったんですよ。でも、京都に着いたら「せっかく九州から本州にまで来たんだから、富士山も見て帰りたいな」と思ってしまって。

帰り道は帰り道で、「せっかくだから白川郷も見てみたい」と岐阜にも寄りました。

そうこうしていたら帰りの時間がカツカツになったので、あわてて山口から高速道路を使って九州まで戻りましたね。

よく「運転するの大変じゃない?」と聞かれますが、もともと運転は好きなので全然苦になりません。

自分のペースで車旅をするのが性分に合っているみたいです。

普段使いもするなら、車中泊仕様車は燃費の良さが決め手に


―今後の展望をお聞かせください。

今後の予定としては、まずテーブルをもう1つ作ろうと思います。

次回の車旅は、今年のGWに近場でちょこちょこ遊ぼうかな。九州はほとんどまわっているんですが、宮崎と長崎の数カ所の道の駅のスタンプラリーがまだなので、制覇しに行こうとも思っていますね。

―最後に、車中泊仕様車を検討している方に向けたメッセージをお願いします。

何台も車中泊仕様車を乗り継いできて思うのは、とにかく燃費が良い車体がおすすめだということ。通勤などで普段使いをする人はなおさらだと思いますね。

今回ハスラーにしたのも、燃費が良いからです。私もしょっちゅう車中泊をするとはいえ、一応は普段使いの車なので。

あとは、車内空間の広さも重要だと思います。

やっぱり軽なら、ワンボックスがおすすめでしょうか。私くらいの身長の人だと、車内でも立ち上がれますし。

ぴったりの車を見つけて、快適な車中泊を楽しんでくださいね。