女性ならではの視点で車内をDIY!アトレーオーナーインタビュー



運転免許を取得できる年齢になったと同時に免許を取得したと話すのは、アトレーを乗り継ぎながら夫の雅之さんと車旅を楽しむ、みね子さんだ。

細身で華奢な印象だが、大型免許も保有。「でも、大型は長時間運転しているとお尻が痛くなるからあまり好きじゃないの」とチャーミングな笑顔を見せる。

そんなみね子さんに、女性でも簡単に展開できるベッドや、スッキリ見せる収納、オシャレな目隠しなど、オリジナリティあふれるDIYを中心にお話をお聞きした。

アトレー 正面

【プロフィール】
みね子さん(55歳)、雅之さん(57歳) 静岡市
愛車:ダイハツ アトレー
車旅歴:約6年

ハイウェイバスの代わりに、愛車のアトレーをストレスフリーな車中泊仕様に



アトレー サイド

―車旅歴はどのくらいですか。

車旅歴は6年ほどです。今までアトレーばかり乗り継いできて、現在のアトレーは3代目です。

通勤は自転車を使っているので、車は必要に応じて乗っていますね。乗る頻度は少なく、車旅をするときがもっぱら愛車の活躍場所です。

―車中泊仕様にしたきっかけを教えてください

毎年ハイウェイバスを利用して大阪の友人に会いに行っていたのですが、かさばる荷物を抱えて交通機関の乗り換えをするのがストレスに感じるようになったのです。

そこで、ストレスと手間を減らすために、愛車の車内を整えて車中泊を伴う車旅ができるようにしました。

以前から車中泊や道の駅をテーマにした本を愛読していたので、いざ自分たちが車中泊をするときも抵抗はなかったですね。

アトレー 後部座席

今では長期間の車旅をすることもあるので、リラックスできる空間づくりを心がけています。

アトレーがいなかったら、ここまでストレスフリーな車旅はできなかったと思います。本当に、最強で最高の相棒です!

―車内環境はいかがでしょうか。

車内で座っても、棚がない部分は天井も圧迫感がありません。

車内でご飯を食べるときの様子

車内で飲み食いするときも、座っている限りは圧迫感なく過ごせています。

車内で着替えもできるんですよ。ただし、上着は座ったまま着替えられますが、座ったままズボンを引き上げるのには苦労しますね。

アトレー 車中泊仕様のベッド

寝るスペースは120cm×170cmほどの床面積を確保できているので、大人2人で寝ても大丈夫です。

フルフラットになるので、ぽてっと横になるだけでもかなり疲れが取れますよ。ゴロゴロと寝返りは打てませんが、十分休息できる空間です。

女性ならではの視点で、車内環境をより快適にDIY


―DIYのポイントを教えてください。

いくつかありますが、1つ目のポイントは「フラットな就寝スペース」です。

床をフラットにするため、スノコを使用しています。

スノコは車内のサイズに合うようカットし、家庭用のアイロン台のように折りたたんで収納できるように、脚も付けました。

セッティングするのもとてもかんたんで、自慢の出来栄えです。

車中泊用ベッドのすのこ

ちなみに、スノコを乗せる支柱はこんな感じです。

車中泊用ベッド

段差をなくすため、後部座席を倒した部分や軸となる支柱にも滑り止めシートを巻いてあります。こうしておけばスノコが滑らないので、安心してスノコの上で生活できますよ。

2つ目のポイントは、「ハンドメイドのカバー」です。

せっかくの車旅をする車内空間なので、できるだけオシャレにしたかったんです。

そこで、各所に目隠しにもなるカバーを縫いました。

ハンドメイドの目隠しカバー

まずマットですが、60×180cmの折り畳みのマットレスを切り離し、スノコの大きさに合わせてカバーを作りました。

後ろのカゴは、2本の突っ張り棒に乗せていますが、突っ張り棒がむき出しにならないように、専用のカバーを縫ってかぶせています。

カゴの内側も味気なかったので、内側のカバーも自作しました。

布の色味を統一することで、落ち着きのある雰囲気になり、飽きがこずに長く使えるので、とても気に入っています。

そして3つ目のポイントは、「収納スペースの確保」です。

リアハッチ側の収納カゴ

天井の収納棚

収納スペースは、リアハッチ側のカゴの他、天井の棚、床下には衣装ケース2個を設置しています。

軽自動車の限られた車内空間を最大限に活用するためにも、スッキリ収納できるよう工夫していますね。

車内 衣類収納

その一環として、旅行カバンは持たず、衣類は直接カゴの中へ。就寝時にベッド展開をするとき、荷物をあっちこっちに動かさなくて済むので、ストレスフリーですよ。

我が家はニトリを愛用していて、カゴ、突っ張り棒、衣装ケース、スノコなど、ほとんどのモノをニトリでそろえています。

ニトリの商品はアトレーと本当に相性が良くて、車内のサイズにジャストフィットするんですよ。

―DIYで成功したポイント、失敗したポイント、費用も教えてください。

スノコ床は、2019年の夏頃に「作るぞ!」と意識してから、1カ月くらいかけて頑張って作りました。なかなかネジが入っていかなかったのが大変でしたね。

後ろのカゴは内側にもカバーをし、底がへこまないように100均のトレイも入れることに。使い勝手が良くて、とても気に入っています。

リア側の天井収納

反対に失敗したと思うのは、カゴを乗せる突っ張り棒です。やはり基本は“動く車”なので、振動で突っ張り棒がときどき落ちてしまうんです。

両面テープやアロンアルファーを試してみましたが、ダメでした。そこで、滑り止めマットを使ってみたら、落下しなくなり、ストレスもなくなりました。

DIYにかかった費用は、スノコだけで1万円くらいだったでしょうか。他のカバー類はスキマ時間にチマチマと制作したので、はっきりとは覚えていません。

冷蔵庫などの家電も導入。旅先で料理を楽しむことも


―家電も導入されているのですね。

最初は大阪の友人に会いに行くために始めた車旅でしたが、今では大阪だけでなく、さまざまなところに出かけています。

そのため、もっと快適に車内生活を送れるように、家電も導入しました。

愛用している家電は、ポータブル電源、冷蔵庫、折り畳み式ソーラーパネルの3つです。

ポータブル電源を導入したことで、車内で食事ができるようになったのは大きいですね。それまでは毎食外食だったので。

ポータブル電源

冷蔵庫も大活躍しています。

家であらかじめ用意しておいた食事を車内で食べるのはもちろん、下ごしらえした食材を持って行って、IHクッキングヒーターでお鍋をしたり、スキレットで調理をしたりもしますよ!

折りたたみ式ソーラーパネル

そして、その電力を支えてくれるのが、ソーラーパネルです。

折りたたみ式ソーラーパネル カバー装着時 

しっかり厚みがあってカバーまで付いているのですが、女性も片手で持ち運べる折り畳み式なので、収納でゴチャついたり傷つけたりする心配もありません。

―車中泊仕様にする前と後で、ライフスタイルは変わりましたか。印象的な車旅のエピソードもあれば。

ライフスタイルは大きく変わりました。

それまではハイウェイバスに頼っていましたが、まったく乗らなくなりましたね。出かけるのは、もっぱらアトレーでの車旅がメインです。

冷蔵庫があるので、食材を腐らせてしまう心配もなく、旅先で気軽に買い物ができるようになったのも大きいですね。

観光地で記念撮影をする夫婦

車中泊仕様にしたことが理由ではないのですが、夫の雅之に視覚障害が生じてから、写真を撮らなくなりました。それまでは、よく旅先の写真を撮っていたのですが。

写真に頼らず、2人で感想を言い合ったりすることで車旅の思い出を残しています。

今では笑い話ですが、大阪の帰り道、夜の高速道路のSAの上下をつなぐ歩道橋の階段で、2人して転んでしまったことがありました。あれはハラッとしましたね。

高速料金が安い軽のワンボックスは、床がフラットだと寝るときも快適


―今後の展望を聞かせてください。

まだ先の話ですが、私が退職した後、まだ行った事のない所への長期の車旅を計画しています。

ちなみに、今のアトレーは5年後に乗り換える予定。

その際、現在使っているスノコが使えない場合は、またDIYするつもりです。やっぱり長旅になると、フラットな寝床は欠かせないので。

―最後に、車中泊仕様の車について悩んでいる方にアドバイスをお願いします。

軽自動車は高速料金が普通車よりも安いのが大きなメリットですね。軽のワンボックスなら、大人2人でも充分寝られますし。

もしも皆さんがワンボックスを検討される際は、床の凹凸の少ないものを選ばれるのが良いと思います。

長い車旅になると、フラットな寝床で、疲れをいかに取るかが大きなポイントになるので。

あとは、荷物をいかにストレスなく収納するかも重要です。毎回毎回、荷物をどかして、またしまって……を繰り返すだけで、車旅がストレスになってしまうからです。

できるだけスッキリ収納できるように工夫されるのがおすすめですよ!